ミャンマー新大統領が就任「官僚機構を立て直す」
【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマーの新大統領に選出されたウィン・ミン前下院議長(66)は30日、首都ネピドーの連邦議会で宣誓し、第10代大統領に就任した。ウィン・ミン大統領は演説で「改革実行が遅い官僚機構を立て直す」と述べ、アウン・サン・スー・チー国家顧問とともに課題解決に取り組むと宣言した。
ウィン・ミン大統領は政権の優先事項として、(1)法の支配の確立と国民の生活水準向上(2)少数民族武装勢力との和平(3)憲法改正――を挙げた。イスラム系少数民族ロヒンギャに対する迫害問題には直接言及せず「国際社会からの圧力、批判、誤解に直面している」と語るにとどめた。
辞任したティン・チョー前大統領はスー・チー氏の代理人に徹し、政権運営には口を出さなかった。ウィン・ミン大統領もスー・チー氏の側近だが、演説を聞いた政治評論家は「力強い意思を感じる演説だった」と評した。