米FTC、フェイスブックを調査 個人情報取り扱いで
【シリコンバレー=中西豊紀】米連邦取引委員会(FTC)は26日、米フェイスブックが個人情報を適切に管理していたかについて調査に乗り出したと発表した。フェイスブックの情報不正流出問題で米当局が調査を表明するのは初めて。同社の社会的な影響力が増す中、これまでIT(情報技術)企業に寛容とされてきた米政府も厳しい目を向け始めた。
FTCは消費者のプライバシー保護などを米国で所管している。同日の声明では「ここ数日のフェイスブックによる個人情報の取り扱いについての報道を非常に真剣に受け止めている」と説明。同社を調査していることを明らかにした。
FTCは調査の範囲を明らかにしていないが、2011年にフェイスブックとの間でかわした個人情報の扱いについての取り決めが順守されているかなどが対象になると見られる。同社は世界に約20億人のユーザーを抱えており「情報の伝達媒体」としての存在感が高まっている。他国の当局の対応にも影響を与えそうだ。
調査の過程で法的な違反が見つかれば巨額の罰金を科されるほか、調査を通じてこれまでに表に出ていない情報流出が明らかになる可能性もある。オバマ前政権下では政策的な後押しを受けてきたIT大手だが、トランプ政権下では逆風が吹く。議会でのIT大手への規制論も活発になっている。