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五輪終えルール改定 羽生はプログラムに重点?

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3月24日に終了したフィギュアスケート世界選手権(ミラノ)で、日本は男女ともに2019年大会(さいたま市)の出場枠最大3を確保した。今季のメインである平昌冬季五輪男子では、66年ぶりの五輪連覇を達成した羽生結弦(ANA)が金、宇野昌磨(トヨタ自動車)が銀メダルを獲得し、ほぼ狙い通りのシーズンとなった。

五輪後の難しさ、ザギトワも宇野も転倒

五輪シーズンの世界選手権は、毎回どこか気の抜けた感じになる。選手たちはその約1カ月前の五輪に、生涯最高といえる演技ができるよう懸命に調整する。ここで納得のいく演技をした選手が、心身ともにもう一度調子を上げる、あるいは調子を戻すのは至難の業なのだ。

典型的だったのが、女子の平昌五輪金メダリスト、アリーナ・ザギトワ(15、ロシア)。シニア1年目の今季は無敗だったが、自身初の世界選手権ではフリーで3度も転倒し5位に終わった。また、五輪を一区切りと考えるメダリストは多く、五輪の個人種目メダリスト計12人・組のうち7人・組が世界選手権に出場しなかった。

一方で、五輪が不本意な結果だった選手はここが雪辱の場とばかり頑張るもので、男子は五輪5位のネーサン・チェン(米国)が優勝を飾った。また日本勢では羽生の欠場、無良崇人の引退でチャンスが巡ってきた友野一希(同志社大)が初出場で5位、女子は樋口新葉(東京・日本橋女学館高)が2位と、五輪に出場できなかった2人が大健闘。平昌五輪銀メダルの宇野(世界選手権2位)、同女子4位の宮原知子(関大、同3位)とともに、3枠確保に貢献をした。

例年のような緊張感もなく、どこか和やかムードのある世界選手権となったが、残念ながら男子フリーは締まらない展開だった。4回転ジャンプを複数回組み込むのが「常識」となった男子最終グループで、ノーミスといえる演技はチェンだけ。宇野とビンセント・ゾウ(米国)は3回、ミハイル・コリャダ(ロシア)が2回、金博洋(中国)は5回も転倒した。

現行のルールでは、「好ましいとは思っていないけれど、(4回転)ジャンプの種類をどんどん増やして確率よく跳ぶのが(優勝するのに)効率がいい方法」(宇野)だ。しかし、4回転ジャンプはどこかが少し狂っただけで、修正が難しく失敗しやすい。一度転倒するとプログラム全体の流れにも影響が出てしまう。高難度ジャンプの争いはハラハラドキドキ、予測不能な展開を生む一方で、今回のミス合戦のような様相になると、大会そのものが興ざめしてしまうようなことにもなり得る。

ジャンプを優先するあまり、選曲が保守的だったり、単調なプログラムが増えたように思う。チェンは五輪、世界選手権とフリーで4回転を6回決めた分、振付師が作ったトランジション(技と技のつなぎ)を大胆に省いていた。ただリンクを行ったり来たりしてジャンプを跳んでいるだけという印象を与えかねない、俗に言う「スカスカ」のプログラムも散見した。

ギリギリの4回転より完璧な3回転へ

フィギュアスケートを唯一無二のスポーツにしているのは、見る人を魅了する曲に合わせたプログラムがあるからだ。夏季五輪を含めても、これだけ芸術性を重要視する競技はない。だから、競技人口そのものが少なくても固定ファンがいるわけで、もし現状のままプログラムに個性がない状態が続いていくと、ファンの関心も離れていってしまうだろう。

幸い、来季から、少し事情は変わりそうだ。技への加点幅が±3から±5へと広がる。さらに、技の基礎点の大幅な見直しも検討されている。一案では、4回転ルッツは13.6点から11.5点へ、4回転トーループは10.3点から9.5点とかなり下がる一方、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は8.5点から8点、3回転ルッツは6.0点から5.9点になるだけ。つまり、羽生が平昌のショートプログラムのようなトリプルアクセルを跳んで5点満点の加点をもらえたら、加点のもらえない4回転ルッツを決めるよりずっと高い得点になるのだ。

あえて4~5回も4回転ジャンプには挑まず、様々な要素を盛り込んだプログラムに仕上げ、常にミスのない演技を目指す選手もいるだろう。ジャンプの回転不足の減点を大きく緩和した8年前の改正が「4回転ジャンプ時代」をもたらしたように、来季のルール改正が大きな変化をもたらすかもしれない。

いよいよ本格的な高難度ジャンプの時代突入がささやかれている女子も、ジャンプの難度は劣っても質の高い演技ができる20代選手が活躍する余地が広がるかもしれない。今季、アレクサンドラ・トルソワ(ロシア)が4回転ジャンプを2度成功させ、五輪後に行われた世界ジュニア選手権を制したが、まだ大人の体になっていない13歳だからできた快挙ともいえる。ソチ五輪以降、ロシアから次々と若手選手が出てくるが、18歳を超えても一線で活躍し続けている選手は現在、18歳のエフゲニア・メドベージェワくらいだ。メドベージェワがカロリナ・コストナー(イタリア)のような成熟さを身につけ、高難度ジャンプを決める若手と対峙したら、がぜん面白くなりそうだ。

「自分は自分」プログラムの充実を

宇野は五輪で男子フリーを終えた翌日、「僕には羽生選手やハビエル・フェルナンデス選手(スペイン)のような(ジャンプの)完成度が足りない」と発言し、五輪王者を上回るべく早くも来季を見越した練習に取り組み始めた。ただ、現状では、新ルールは総合力で勝る羽生にまだ分がありそう。

「自分が楽しめる演技をしたい。スケーティング、表現、プログラムの雰囲気……(フィギュアは個人の)好き嫌いがあるスポーツ。誰にも文句を言わせない演技というのはない。そこはもう悟っている。自分は自分というところを見せて、素晴らしいって思ってもらえればありがたい」と羽生は言う。「唯一のモチベーション」という4回転半ジャンプには挑戦していくだろうが、負けず嫌いの血が騒ぎ、試合ではチャレンジより勝利という現実的な選択をする可能性もある。「五輪連覇」という悲願を達成し、気持ちに余裕が生まれた羽生が追求する「自分らしさ」を込めたプログラムがどんなものになるか、興味深い。

(原真子)

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