ベンチャーカフェ日本上陸 米東海岸発の起業家交流
米東部ボストンで誕生した、起業家らをつなぐ交流プログラムのベンチャーカフェが22日、東京に進出した。マイアミやオランダのロッテルダムなどに次ぐ世界6都市目で、アジアでは初めて。虎ノ門ヒルズ(東京・港)で、イベントやワークショップを毎週木曜日に無料で開催する。目指すのは事業のヒントを求めたり、交流の輪を広げたりしたい「イノベーター」の集いの場だ。
ベンチャーカフェは2009年に、インキュベーション(ふ化)施設大手の米ケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)が立ち上げた。CICは1999年にマサチューセッツ工科大学(MIT)の卒業生らが設立。米国東海岸のスタートアップ関係者のハブとなっており、グーグルが05年に買収したアンドロイドも輩出した。ベンチャーカフェが毎週開くイベントには400~500人の起業家や投資家、研究者らが参加するという。
日本展開にあたっては森ビルと提携した。ベンチャーカフェは非営利団体のため企業からの協賛金で運営。JTやSOMPOホールディングスなどが協力する。ベンチャーカフェ東京の山川恭弘代表は22日に開かれたお披露目のイベントで「誰もが気軽に集まり、ちょっとしたアイデアやこれまでの失敗談を共有する場を作りたい」と語った。山川氏は起業家教育で有名な米バブソン大学の准教授で、CICの東京進出の準備も進めている。
スタートアップの交流イベントは渋谷や六本木などでも連日のように開かれているが、「本場のベンチャーカフェのように学生たちに積極的に参加してもらうのが特徴だ」(山川氏)。東京大学や早稲田大学、グロービス経営大学院などとも協力し、起業をめざす学生や社会人の交流を後押しする。各大学にベンチャーカフェの「支部」を置き、学生による関連イベントも開いていく考えだ。
(企業報道部 駿河翼)
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