ミャンマー下院、新議長を選出 元議長の側近
【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー議会下院は22日、辞任したウィン・ミン議長の後任にティー・クン・ミャット副議長(67)を選出した。同氏は北部カチン州の少数民族武装勢力の出身で、アウン・サン・スー・チー国家顧問と連携する国軍出身のシュエ・マン元議長の側近とされる。
下院議長は法案審議を差配する要職。シュエ・マン氏自身も、議会の諮問機関である法務諮問委員会のトップで、立法に大きな影響力を持つ。
シュエ・マン氏はテイン・セイン前政権時代に、旧軍政の流れを組む連邦団結発展党(USDP)の党首と下院議長を務めた。2015年の総選挙直前にスー・チー氏に急接近し、党首を解任された。スー・チー氏とは現在も親密だが、現与党の国民民主連盟(NLD)には権力を拡大するシュエ・マン氏に反発する声もある。
下院議長に就任したティー・クン・ミャット氏もUSDP所属の下院議員だったが、シュエ・マン氏と行動を共にして離党した。
ウィン・ミン前議長は21日、健康上の問題で同日辞職したティン・チョー前大統領の後任に立候補するため、議長職を辞任した。両院議員の投票により、来週中にも新大統領に選出される見通し。