メローとオイシックス、キッチンカーで食材セット販売
キッチンカーのシェアリングを手がけるmellow(メロー、東京・渋谷、柏谷泰行社長)は22日、オイシックスドット大地、森トラストと組みミールキットの実験販売を始めると発表した。オイシックスの食材・レシピセット「キットオイシックス」をキッチンカーで取り扱い、スーパーまで出かけるのが難しい客層などの需要を見込む。メローは昼時が中心だった営業時間の多角化を図る。
森トラストの「御殿山トラストシティ」(東京・品川)を対象に、まず3月26日から4月1日まで運営する。朝9時から夜9時まで扱う予定だ。キットオイシックスは栄養バランスを考慮した食材とレシピをセットにし、主菜と副菜が20分で調理できるようにしている。単価は2人前で1000~1300円程度。オイシックスはこれまでネット通販やスーパーなどで販売してきたが、キッチンカーで初めて取り扱うことにした。
御殿山トラストシティには独フォルクスワーゲン(VW)日本法人などのオフィス、東京マリオットホテル、そして高級住宅から構成される。仕事帰りのビジネスパーソンや近隣住民など様々な層の利用者が見込める。営業時間も長めにとりながら事業性を探る。
メローが手がけるサービス「TLUNCH(トランチ)」は不動産会社と、個人事業主が多いキッチンカーを仲介し、手数料を受け取る仕組み。柏谷社長は「必要な時に必要な場所を貸すことができるモビリティー(移動体)のプラットフォーマー」を志向し、ランチ以外に朝や晩の時間の需要を探ってきた。
2017年9月には1カ月間、毎週金曜日に同じ御殿山でキッチンカーを使い、飲み物とフードが出る夜の居酒屋も運営してきた。今回のミールキットも活用法を探る狙いで、柏谷社長は「結果をみて4月後半以降の本格的な展開を考えたい」と話す。
メローは飲食以外の応用も進める計画で、4月からは東京・お台場でマッサージカーのシェアも始める。柏谷社長は「ネイルサロンや、車内で採寸までしてしまうオーダースーツも動き出すかもしれない」と明かす。
(企業報道部 加藤貴行)