音波通信のサイノスが最優秀賞 IBMの事業化支援
日本IBMが主催するスタートアップの事業化支援「IBMブルーハブ インキュベーション・プログラム」の最終審査会が14日、都内で開かれた。最優秀賞には音波通信スタートアップのサイノス(東京・世田谷)が選ばれた。サイノスは音波通信「サウンドコード」を手がけ、情報配信や決済などへの応用をめざしている。
サイノスの桑山燿代表取締役はアサツーディ・ケイから独立した起業家。「音波通信は新たな規格になりうる。用途を広げていきたい」と述べた。IBMイノベーション&インキュベーションラボ統括の工藤晶氏は「世界特許もとっており、いろんな創造を膨らませる技術だ」と評価した。
IBMの同プログラムは4期目。最近は様々な企業がアクセラレータープログラムなどで支援を充実しているが、IBMの「ブルーハブ」は先行組の1社として知られる。4期目では各スタートアップに異なるベンチャーキャピタル(VC)にメンターとして育成してもらい、IBM側も戦略コンサルタントが支援するなど新たな取り組みを入れた。
IBMは今年1月にスタートアップ担当と、大企業の新規事業支援の部門と統合した。工藤氏は今年から始まる5期目について「(1つの部門で)スタートアップと大企業新規事業の支援、その橋渡しをすることになった。新しいスタートアップやインキュベーションの形を示していきたい」と抱負を述べた。
(企業報道部 加藤貴行)