グーグル、仮想通貨の広告禁止 6月から
【シリコンバレー=中西豊紀】米グーグルは13日、仮想通貨に関わる広告を6月から掲載しないようにすると発表した。詐欺的な取引に誘導する広告などからネットの利用者を保護するためとみられる。同様の措置はフェイスブックも1月に表明ずみ。ネット上の広告で6割を超えるシェアを持つ2社の厳格な対応は仮想通貨市場に大きな影響を与えそうだ。
同社はネット検索や動画配信のユーチューブなどグーグルのサービスで表示される広告について掲載基準を定期的に見直している。今回は規制されていなかったり投機的な要素が強かったりする金融取引について掲載を禁じる方針。外為取引などと並んで仮想通貨も対象にあげており、仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)に関する広告も含まれるもようだ。
仮想通貨を巡ってはフェイスブックも広告の全面禁止を表明している。米国ではICOを通じた詐欺まがいの取引が一部で生じているほか、取引所についても開示姿勢が不透明として米証券取引委員会(SEC)が警告を発している。グーグルを含めた2社の広告の影響力は大きく「自己規制」を通じてトラブルの芽を摘む狙いとみられる。
あわせてグーグルは2017年に32億件を超える広告を同社の掲載基準にあわないとして排除したことを明らかにした。広告を通じた詐欺まがいの行為にユーザーが巻き込まれる前にグーグルとして対応をとるようにしているという。
急速に資金が流入してきた仮想通貨だが、取引などのルールづくりが遅れたことからマネーロンダリング(資金洗浄)や不正事件も起こりやすかった。20カ国・地域(G20)は財務相・中央銀行総裁会議で、仮想通貨の規制強化も主要議題とし、利用者の本人確認を義務付ける方策などを検討する見通しだ。