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「竹下派」発足へ 額賀氏が派閥会長を退任表明

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自民党の額賀福志郎元財務相は14日夜、都内で開いた額賀派(平成研究会)の政治資金パーティーで、派閥会長を退任すると表明した。竹下亘総務会長を後任の会長に指名した。額賀氏は最高顧問として引き続き運営に関わる。平成研は亘氏の兄の竹下登元首相が1987年に旗揚げした「経世会」の流れをくむ。「竹下派」復活で党内での存在感の回復をめざす。

新体制は4月をめどに発足する。額賀氏はパーティーで「後進に道を譲る」と語った。前任の津島雄二氏から引き継いだのは2009年9月。8年半ぶりの会長交代だ。

竹下氏は「政権を担う人をどんどん輩出していけるグループに変身しなければならない」と強調した。異母兄にあたる登氏の秘書を経て00年の衆院選で初当選。復興相や党国会対策委員長などを歴任し、17年夏に党三役の総務会長に就いた。派閥では副会長として額賀氏を支えてきた。

「会長降ろし」は参院平成研21人が額賀氏の退任を求めて1月に派閥の会合を欠席したことで表面化した。

竹下登、橋本龍太郎、小渕恵三の3首相を輩出したかつての最大派閥も今は第3派閥。第2次安倍政権発足後で領袖が閣僚や党4役を務めていないのは党内7派閥で額賀派だけだ。安倍晋三首相を支持してきたが、閣僚人事などで十分な見返りがあったとは言いがたい。

参院側は額賀氏の指導力を問題視。平成研に所属したかつての参院の実力者、青木幹雄元参院議員会長は2年ほど前に亘氏に譲ることで額賀氏と話をつけたとされる。今回の交代劇を主導した参院側の会長の吉田博美参院幹事長は青木氏と連携する。額賀氏が一向に退任を言いださないことに業を煮やして強硬手段に出た。

額賀氏は分裂を避けるため要求を受け入れた。

9月の党総裁選への対応をめぐり、青木氏が総裁選で石破氏を推すのではないかとの臆測が党内で出ている。16年の参院選は合区となった鳥取・島根選挙区で幹雄氏の息子、一彦氏が当選。鳥取を地元とする石破氏は一彦氏を支援したからだ。

ただ首相周辺は「竹下派は首相の3選を支持してくれる」との見方を示す。首相が狙う総裁選圧勝には、第3派閥の竹下派の対応が影響する。

足元では学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書書き換えが政権を揺るがす。竹下氏はパーティー後、記者団に「政局は1、2週間でガラッと変わる」と指摘。総裁選の対応は「通常国会が終わってから考える。今は誰を推すか本当に全く決めていない」と語った。

総裁選をにらみ「ポスト安倍」候補の岸田文雄政調会長率いる岸田派は細田派や麻生派などの他派閥と幹部会合をくり返す。石原伸晃前経済財政・再生相が領袖の石原派と谷垣グループも幹部同士の意見交換会を開いている。各派閥の動きが活発になりそうだ。

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