旭化成、43代目キャンペーンモデルに北向珠夕さん
旭化成は13日、2018年のキャンペーンモデルに北向珠夕さん(18)を起用したと発表した。1976年の初代アグネス・ラムさん以来、43代目となる。旭化成は衣料用繊維だけでなく、高機能樹脂や電池材料など世界シェア首位の材料を多く手掛ける。北向さんは旭化成の顔として企業イメージやブランド価値の向上に務める。
北向さんは99年生まれ、青森県三沢市出身。特技は小学校2年から高校1年生まで熱中したバレーボール。チャームポイントは「きりっとした眉と目」という。126人の応募者から抜てきされた。旭化成の楠神輝美広報室長は選出理由について「内面のピュアさやひたむきに努力を重ねる姿勢に好感が持てた。彼女の周りにすぐに人の輪ができるほどコミュニケーション能力が高い」と説明した。
北向さんは旭化成の企業像について「長い歴史を持つグローバルな会社。魅力ある繊維を世界にアピールしていきたい」と笑顔をみせた。
かつて繊維会社のキャンペーンモデルは「芸能界の登竜門」ともてはやされたが、今その影響力は薄れつつある。それでも旭化成が世に送りだすのは、同社オンリーワンの繊維の価値を体現するのに最もふさわしいからだ。
なかでも綿花由来の再生セルロース繊維「ベンベルグ」は世界で旭化成のみが手掛け、伊アルマーニやマックス・マーラなど高級ブランドがスーツ裏地にこぞって採用。絹に似たしなやかさや、サラッとした肌触りから「サリー」や「デュパタ」といったインドの民俗衣装でも引っ張りだこだ。
世界のアパレルを引きつける繊維のように北向さんにも旭化成の企業価値を伝えてほしいと同社は期待を込める。"カワイイ"だけでは企業の顔は務まらない。
(上阪欣史)
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