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こだわり持って力士は自分の型を磨け

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大相撲春場所は11日、エディオンアリーナ大阪で初日を迎える。注目の一人は1月の初場所で平幕優勝を飾り、関脇に返り咲いた栃ノ心だろう。怪力を生かした右四つ左上手の自分の型を持ち、大けがを乗り越えて賜杯を抱いた。これを機に型について語っていきたい。

感じられた常に前に攻める意識

先場所の栃ノ心は雑な相撲がなくなり、率直に強いと思える内容だった。立ち合いの鋭い踏み込みから攻めていき、攻めていく中で自分の形をつくっていった。以前は左上手を安易に取りにいこうとして、逆に攻められる印象があったが、先場所はたとえいなされても常に前に攻めるという意識が感じられた。192センチ、177キロのあの鍛えられた肉体が前に出て当たってきたら、相手からすればこの上なくやりづらい。栃ノ心からすれば、立ち合いで当たって、少しでも前に圧力をかけることで、ほしいまわしも近くなる。栃ノ心はかいな力が強く、それが一番生きる右四つ左上手という自分の型を持っている。それでずっと相撲を取ってきているのだから、自分の形になればやっぱり強いなと思った。

自分も左四つ右上手という型があったが、栃ノ心の優勝を見て、力士は型を持った方がいいと改めて感じた。こうなったら負けないという型をしっかり持っていれば、調子がいいときは余計なことを考えなくても、攻めていくうちに体が勝手に反応して、自分の形になれるもの。その形になれば勝てる確率も当然高くなる。自分の現役時代を振り返っても、上手さえ取れば何とかなるという感覚があった。もちろん自分の形に毎回なれるわけではない。本場所15日間なら完璧に自分の形になれるのは半分あるかどうかだ。ただ、前に攻めて自分の形をつくろう、つくろうとしているうちに、相手も下がっていく。相手が引いて勝つこともある。自分の形にこだわって相撲を取っているからこそ、勝ちにつながることだってある。

自分は相撲をろくにやったことがないまま15歳で入門し、最初はどう相撲を取ったらいいのか全くわからなかった。頭からぶちかましたり、もろ手で攻めたり、いろいろと試しながら稽古をしていくうちに、関取に上がる前の17、18歳のころだったか、自然と左四つの形になった。さらに右の上手が取れたら力が出せることに気づいた。右上手が引けなければ、攻め込まれて負けることも多く、自分は絶対に右を取らなきゃダメだと思って、そこからずっと徹底して左四つ右上手を磨いてきた。毎日毎日、一日50番、100番稽古をやって半分以上は自分の形で相撲を取る。そこばかりを鍛えていき、型がしっかりできてきた。もちろん相手も研究してきて、右を差してきたが、自分も徹底して左を固めて、左四つにこだわってやってきた。

あるとき、立ち合いで自分から当たることを忘れてしまったような時期があった。すると左を差しにいってもおっつけられる。左は差せないし、横を向かされて、上手も遠くなった。そのときに思い出したのが、前に出て攻めるという相撲の基本。当たって前に出ることで、少しでも相手を起こせれば、左を差しやすい。左が入れば相手との距離も縮まって右の上手も近くなり、まわしも引きやすくなる。先場所の栃ノ心もそうだったように、どんな型でも前に出ることがまず一番大切だ。

日ごろの稽古から考えてこそ

飛躍が期待される関脇の御嶽海や平幕の正代の相撲を見ていると、どうしても半端な印象を受ける。得意な形はあるのだろうが、絶対的にこうだという型がみられない。特に正代は相手に合わせて相撲を取っているように感じる。絶対的な型がないと、けんか四つのときについつい根負けして相手十分の形になったり、自分の形でないときに隙ができたりすることが多いように思う。

横綱の白鵬も右四つという絶対的な型を持っている。巡業などで自分の型を確かめながら稽古しているから、自分の形に持っていくことがうまい。こだわりを持ってやってきたからこそ、あの強さがあるのだと思う。その横綱や大関といった自分より強い相手に相撲を合わせていては、ずっとかなわないままだ。上位に勝つことだってあるだろうが、何となく勝ったところで次にはつながらない。自分の型を極めて上位を倒していってこそ自信にもなる。そうすれば相撲に安定感も出て、三役にも定着、大関に上がることもできると思う。実力がある若手が上位に顔を出すようになってきているとは思うが、日ごろの稽古から考えて自分の型を磨いていかないと、上位で安定した力はつかないのではないか。

自分が現役のときは、ご当地の九州場所などで右上手を取ると館内がわいた。お客さんが自分の相撲を覚えているとわかって、本当にありがたい気持ちだった。力士が攻防を繰り広げる中で、どちらが先に自分の形になれるか。そういうのを見て楽しむお客さんもいると思う。ただ、最近の力士は相撲以外のキャラクターで覚えられているようなところがあって、力士として深みがないように感じる。代名詞となるような取り口があった方が盛り上がるし、相撲の中身で引きつけてこそファンもまた見にいきたいと思うはず。そういう意味でも型はあった方がいいだろう。

(元大関魁皇 浅香山博之)

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