健康確保措置も議論し直し 厚労相、裁量労働制で
加藤勝信厚生労働相は5日の参院予算委員会で、働き方改革関連法案から切り離した裁量労働制に関し、対象者の健康確保措置の強化も議論し直す方針を示した。「全面削除し、実態を把握した上で議論していく」と語った。高度専門職を労働時間規制の対象から外す脱時間給制度については、今国会に提出する法案に「盛り込む方針で議論している」と強調した。
法案には裁量労働制の拡大とともに、勤続3年以上との適用要件や、終業から始業までの時間確保など、裁量労働制で働く人の健康確保措置を企業に義務化する内容を盛り込む予定だった。
野党は裁量労働制を適用された野村不動産の男性社員が自殺したことを取り上げ、裁量労働制の拡大に反対した。安倍晋三首相は「そういうことを防ぐために労働基準監督署が、様々な情報を入手しながら適切な指導を行っていくことが大切だ」と指摘した。男性は2016年9月に自殺し、遺族の労災申請を受けて、17年12月に東京労働局が労災を認定した。首相は「(労災認定は)報告を受けていない」と話した。