米、特定企業は除外も、鉄鋼・アルミ輸入制限で
【ワシントン=鳳山太成】米政府高官は4日、鉄鋼とアルミニウムに課す輸入制限について特定の製品を対象から外す方針を示唆した。米国の鉄鋼メーカーから調達できない高付加価値品などを例外扱いする可能性がある。一方で国単位での除外は改めて否定した。安全保障を輸入制限の理由とする米政権に対し、日本など同盟国は再考を求めている。
ナバロ通商製造政策局長は4日の米CNNテレビで「ビジネスを進めるために必要な場合は、特定のケースで除外の手続きを取ることになるだろう」と述べた。詳細には触れなかったが、日本メーカーが製造する強度の高い軽量鋼材など特定製品の例外を認める仕組みを取り入れる可能性がある。一方で「国単位で除外することはない」と明言した。
ロス商務長官は4日の米ABCテレビや米NBCテレビの放送で、トランプ大統領が世界各国の首脳と、鉄鋼・アルミの輸入制限に関して電話で協議していることを明らかにした。各国は自国を対象から外すよう働きかけているが、ロス氏は「現時点では特定の国を外す考えをトランプ氏から聞いていない」と語った。あくまでトランプ氏が最終的に決断すると強調した。
トランプ氏は1日に鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課すと表明した。週内に正式決定する見通し。日本政府は米国側に強い懸念を伝えた。欧州連合(EU)は輸入制限が発動されれば、米国製品に報復関税を課す方針を明らかにしている。鉄鋼で米国にとって最大の輸入相手国であるカナダも対抗措置をとる構えを示している。
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