大統領安保室長ら、5日訪朝 韓国の特使を発表
情報機関トップも 金正恩氏に米朝対話働きかけへ
【ソウル=峯岸博】韓国大統領府は4日午後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が北朝鮮に派遣する特使団として、首席特使となる大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長ら5人を発表した。5日から1泊2日の日程で訪朝する。
特使団は鄭氏のほか、情報機関・国家情報院の徐薫(ソ・フン)院長、千海成(チョン・ヘソン)統一次官ら。大統領府は「朝鮮半島の非核化に向けた米朝対話の環境醸成や南北交流活性化など南北関係の改善問題を包括的に話し合うだろう」と説明した。
金正恩(キム・ジョンウン)委員長との会談が実現すれば、文大統領の親書を手渡す見通し。南北関係の発展に向け、米国との対話への努力を促す内容とみられる。
特使団は金正恩氏の特使として妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が平昌冬季五輪の開会式を機に訪韓したことへの答礼として送る。鄭、徐両氏らは金与正氏や、五輪閉会式に出席した金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長とソウルで面会した。
鄭氏は大統領府の外交・安保政策の司令塔役。徐氏は2000年と07年の2回の南北首脳会談にいずれも関わり、文政権内では南北対話のスペシャリストとされる。
大統領府は「6日午後の帰還後に米国を訪問し、米側に訪朝結果を説明する」と表明。同時に「中国や日本とも緊密に協議を続ける」とした。
徐氏の人選については保守系野党第1党の自由韓国党などが「国家安保のとりででなければならない国家情報院を対北朝鮮協力員におとしめる惨憺(さんたん)たる状況だ」と批判している。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。