ロヒンギャ元議員を逮捕 武装集団に資金か、ミャンマー警察
【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー警察は2日、イスラム系少数民族ロヒンギャ出身の元政治家を逮捕したと明らかにした。政府報道官は「ロヒンギャ系武装集団に対し資金援助をした疑いがあるため」と説明している。政府は武装集団を「テロ集団」に指定し、関係が疑われる人物の摘発を強化している。
逮捕されたのはアウン・ゾー・ウィン氏で、テイン・セイン前政権時代の与党、連邦団結発展党(USDP)に所属。2010年の総選挙でラカイン州北部の選挙区から立候補し、下院議員を1期務めた。2月28日にヤンゴン国際空港から出国しようとした際に逮捕された。
資金提供を受けたとされる武装集団「アラカン・ロヒンギャ救世軍」(ARSA)は17年8月、西部ラカイン州の治安施設を襲撃した。治安当局の掃討作戦で65万人以上が難民となった。
アウン・ゾー・ウィン氏はヤンゴン市内で建設会社などを経営する実業家。ARSAとのつながりの有無は不明だが、政府は「構成員が資金を受け取ったと証言した」としている。