最高の笑顔で帰国、花咲かせたメダリスト
平昌五輪選手団
平昌冬季五輪で史上最多のメダルを獲得した日本選手団が26日、韓国から帰国した。17日間の熱戦を終えたメダリストらは、晴れやかな表情を見せた。「感謝の気持ちでいっぱい」「今度こそ金メダルを」。喜びや周囲への感謝、そして4年後に向けた新たな決意。列島に興奮と感動をもたらしたチームジャパンを、ファンらは大歓声で迎えた。
記者会見には、スピードスケート女子で金と銀を獲得した主将の小平奈緒選手(31)ら15人のメダリストらが出席した。冬季五輪で最多のメダル13個。胸にはそれぞれの色のメダルが輝き、熱戦の疲れを見せながらも、満足そうな表情を浮かべた。
結団式で日本選手団のテーマを「百花繚乱(りょうらん)」としていた小平選手。会見で「みなさんがたくさんのきれいな花を咲かせてくれた」と日本選手団の活躍をたたえ、「一生忘れられない17日間になった」と充実した表情を浮かべた。
けがや重圧を乗り越え、表彰台に立った選手たちは家族やファンら周囲への感謝の言葉も忘れなかった。
「連覇は大変なものだった」。男子フィギュアで66年ぶりの連覇を果たした羽生結弦選手(23)は自らの偉業を振り返った。ぶっつけ本番の圧巻の演技を披露。「皆さんの応援とともにとれたことが、メダルの価値をさらに高めてくれた」と喜びをかみしめた。
スピードスケート女子で3色のメダルをそろえた高木美帆選手(23)は前回のソチ五輪での代表落選に触れ、「スケート人生を懸ける気持ちで挑んできた」と明かした。その上で「五輪に不安や恐怖もあったけど、友人や家族から勇気をもらった。感謝の気持ちでいっぱい」と振り返った。
2022年の北京五輪を見据え、決意を新たにする選手も。スキー・ジャンプ女子で銅メダルの高梨沙羅選手(21)は「今度こそ金メダルを取って、日ごろの恩返しと感謝の気持ちを伝えられる結果で終われるようがんばりたい」と誓った。
開会式で旗手を務めた葛西紀明選手(45)は改めて現役続行を宣言。会見で「(開会式で)力強く旗を振れたおかげでたくさんのメダリストが生まれた」と笑いを誘い、「4年後にメダルを取りたいという強い気持ちになった」と明かした。
初のメダルを獲得したカーリング女子のスキップ、藤沢五月選手(26)は「決勝を観戦し、悔しい思いもこみ上げてきた。この思いは忘れることができないし、今後のカーリング界の目標にもなる」と話した。
平昌のメダルラッシュは、20年東京五輪への追い風に。伊東秀仁総監督は「東京五輪に良いかたちでバトンを渡せた」と総括した。
選手団はこの日午後、成田空港に帰国。到着ロビーに姿を見せたメダリストたちは、出迎えた多くのファンに笑顔で手を振って応え、花束を受け取った。