マスターズ目指す日本勢　松山に左手痛の不安

1月のSMBCシンガポールオープン（優勝はセルヒオ・ガルシア=スペイン）で幕を開けた日本ツアーはアジアで計2戦した後、4月の国内開幕戦、東建ホームメイト杯（12～15日、三重）まで小休止となる。その間、昨季の賞金王・宮里優作（37）や小平智（28）らの日本勢は積極的に海外試合を転戦しているが、2月に入って、ちょっと残念なニュースが飛び込んできた。

米ツアー通算5勝、世界ランキング6位の松山英樹が2月2日（日本時間3日）、フェニックスオープン（米アリゾナ州）第2ラウンドのスタート前に、左手親指痛のため棄権したのだ。2016年にリッキー・ファウラー（米国）、17年はウェブ・シンプソン（同）とのプレーオフを制して連覇。今回はアーノルド・パーマー以来となる大会史上2人目の3連覇がかかっていたが、無念のリタイアとなった。2アンダー、29位と無難なスタートを切った第1ラウンドの途中に痛みを覚え、2日目の朝も飯田光輝トレーナーがマッサージなど治療を行ったが、今後のことを考えて、やむなく断念した。

松山はルーキーイヤーで国内賞金王に輝いた13年に、カシオワールドでシーズン4勝目を挙げた翌週の最終戦、日本シリーズJT杯を左手親指関節炎を理由に欠場している。今回痛めたのは違う部位らしいが、「無理をすると一生ゴルフができないんじゃないかという怖さがある」とコメント。日本に一時帰国し、病院で精密検査を行った。

■松山、マスターズへの調整に狂い

昨秋からスイングのマイナーチェンジに取り組んでいる松山は今年の第1戦、昨季の優勝者だけが参加できる1月のトーナメント・オブ・チャンピオンズ（ハワイ）で最終日に66の好スコアをマークして4位に。ファーマーズ・インシュアランス（カリフォルニア州トーリーパインズGC）は12位と順調に滑り出していた。

ところが今回のアクシデントで、メジャー初制覇がかかる4月のマスターズ・トーナメント（ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC）までの調整過程に大きな狂いが生じている。当初は参加を予定していたジェネシスオープン（2月15～18日、カリフォルニア州リビエラCC）への出場は見送った。

マネジメント会社によると、21日現在、今後のスケジュールは未定だそうで、世界選手権シリーズのメキシコ選手権（3月1～4日）も回避する公算が大きいという。現在は国内で静養・治療に努めており、復帰戦は早くてもA・パーマー招待（3月15～18日、フロリダ州ベイヒル）になるとみられる。今月25日が26歳の誕生日。1日でも早く左手の痛みが消え、マスターズへ再始動が待たれる。

マスターズ初出場を決めている宮里優は、今年に入って既に5戦している。レオパレス21ミャンマーオープンで5位。今月の欧州・アジア・豪州ツアー共催のISPSハンダ（豪パース）では3日目終了時点で5位につけ、上位24人による最終日のマッチプレー方式のトーナメントに進出。初戦となる2回戦で優勝したキラデク・アフィバーンラト（タイ）に敗れた。今後はメキシコ選手権に出場する予定。マネジャーの話では、同大会で好成績を残し、A・パーマー招待、世界選手権シリーズのデル・マッチプレー（3月21～25日、テキサス州オースティンCC）出場を目指すという。

■小平、谷原は世界ランク50位以内目指す

小平智は初戦の米ツアー、ソニーオープン（ハワイ）は予選落ちしたが、シンガポールオープン、ミャンマーオープンと2週連続で2位に食い込んだ。ISPSハンダでは最終日のマッチプレーにコマを進めたが1回戦で敗退。それでも世界ランク41位につけ、マスターズ出場権獲得へ懸命な戦いを続けている。あと1カ月余りが正念場だ。次戦のメキシコ選手権などで活躍してランク50位以内をキープし、朗報が届くことを期待したい。

宮里優とともにマスターズに出場する池田勇太（32）はシンガポールで予選落ち。ミャンマーは35位、欧州・アジア共催のメイバンク選手権（マレーシア）は39位に終わった。次戦はメキシコ選手権。ただ、あくまでも照準はマスターズだ。筋力トレーニングに練習と、大一番へ向けじっくり調整を続けているはずだ。

谷原秀人（39）は昨年3月のデル・マッチプレーでジョーダン・スピース（米国）らを破って4位に入り、滑り込みでマスターズへの切符をつかんだ。今季は欧州ツアーのシード権を獲得し、1月から同ツアーで戦っている。初戦のドバイデザートは予選落ちし、アブダビ選手権は68位で終えたが、メイバンク選手権は石川遼とともに5位となった。ISPSハンダ65位の後、今週22日からのカタール・マスターズ（ドーハ）に出場する。世界ランクは75位。2年連続マスターズ出場への道のりはちょっと険しいが、欧州ツアーで優勝すれば一気にランクアップできる。粘り強い谷原の奮戦が注目される。