東芝次期会長兼CEOの車谷氏、原発事業「問題を認識」
東芝の代表執行役会長兼最高経営責任者(CEO)に就く元三井住友銀行副頭取で英投資ファンド、CVCキャピタル・パートナーズの日本法人会長を務める車谷暢昭氏と綱川智社長、指名委員会委員長を務める池田弘一取締役は14日、都内で記者会見を開いた。主なやり取りは以下の通り。
――今回の人事は経営トップの交代という位置付けでいいのか。
綱川氏「経営の強化と考えている。(車谷氏と)2人で協力して事業運営を進めていく。車谷氏には金融関係、投資会社の経験などを期待している。外からの知見を生かしたい」
――車谷氏を選定したプロセスは。
池田氏「成長を考えると、社外の目線を入れて、新しい改革を進めていくことが重要になる。そのなかで、どういう人がいいかを考えて、車谷氏を選んだ」
車谷氏「家族とも相談して2~3日で決めた。ある種の天命かと思い、迷わず、気持ちを固めた」
――外部から経営トップが就く場合、会社になじむのは難しい。
車谷氏「当然、組織に所属していない人が重要なポジションに入ると違和感は多少あると思う。人間社会ですから。腹を割って話をして、信頼してもらう努力を最大限やっていくことが必要になる。人間性を含めて、すべてをかけて東芝になじめるように努力したい」
――原子力事業についての考えは。
車谷氏「外部の立場でも、問題点があるという認識がある。今後、内部に入って、社長や担当役員と議論したい」
――成長戦略は。
車谷氏「それが4月以降の仕事になる。綱川社長やメンバーと、既存事業のどこを伸ばすのか、伸ばさないのか、M&A(合併・買収)が必要なのかなどを議論していく。これまでオーガニックに展開してきた歴史もあるので、よく議論して、外部の色々な情報も入れて正しい判断をしたい」