円、一時106円台に 1年3カ月ぶり円高水準
14日の東京外国為替市場で円相場が1ドル=106円台に上昇した。2017年の高値(107円32銭)を超え、16年11月以来、ほぼ1年3カ月ぶりの高値を付けた。米国に対する保護主義懸念が再び強まったほか、株価下落の流れもあって円買いが加速した。
14日に内閣府が発表した17年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値が市場予想を下回り、株価を押し下げた。投資家心理が上向くと売られやすい円を、株安を受けて買い戻す動きが活発になった。13日のニューヨーク市場で付けた高値(107円40銭)を上回ると、損失を限定するための円買いに弾みがついた。
前日の円高進行も輸出企業の業績を悪化させるとの懸念につながった。円高が株安を招き、株安がさらなる円高につながる構図が強まっている。
米国が保護主義的な姿勢を強めるとの見方もドル安につながった。トランプ米大統領が12日に不公正な貿易慣行を続ける国からの輸入品に「報復関税」を課すと発言。米国が輸出の価格競争力を高めるため、ドル安を容認する姿勢に傾くとの思惑からドルが売られた。