中小機構の起業家アワード、ミライロが経産大臣賞
中小企業基盤整備機構(中小機構)が5日に開いた「ジャパンベンチャーアワード(JVA)2018」で、ユニバーサルデザインのコンサルティング会社ミライロ(大阪市)の垣内俊哉社長が経済産業大臣賞を受賞した。同表彰式は創業15年以内の起業家を表彰するイベントで、全185社から応募があった。ほかにもあらゆるモノがネットにつながる「IoT」や再生医療といった技術系のスタートアップが各賞を受賞した。
垣内氏は大学在学中にミライロを設立。コンサルティング事業や、バリアフリー情報を共有するアプリなどを提供している。「日本の作ってきたバリアフリーの技術を世界に展開し、バリアーをバリューに変えていきたい」と意気込みを語った。
経済産業大臣賞のほかに中小企業庁長官賞にロボット用の制御装置を開発するMUJIN(ムジン、東京・墨田)の滝野一征社長など、中小機構理事長賞に再生医療スタートアップのツーセル(広島市)の辻紘一郎社長など、JVA審査委員会特別賞に衣類の定額レンタル事業を手がけるエアークローゼット(東京・港)の天沼聡社長などがそれぞれ選ばれた。スタートアップに出資するベンチャーキャピタリスト奨励賞ではプライマルキャピタルの佐々木浩史代表パートナーとモバイル・インターネットキャピタルの元木新ディレクターが受賞した。
審査委員長を務めた長谷川博和早稲田大学大学院経営管理研究科・ビジネススクール教授は米ウーバーテクノロジーズや米エアビーアンドビーと似た事業が広がっても2社が急成長している点に触れ、「事業モデルだけがスタートアップの成功要因ではない」と強調。「成功してやるんだという情熱のある経営者と、その経営者が困難に突き当たったときに支える投資家や金融機関が必要」と呼びかけた。
ジャパンベンチャーアワードに応募した経営者のうち最も多かった年代は30代で、設立年数は4~10年だった。事業内容では製造業が最も多い43%で、情報通信業、サービス業と続いた。
(企業報道部 吉田楓)