日産・ルノー2位、トヨタ3位 17年世界販売
VW、2年連続首位
自動車大手の2017年の世界販売実績が30日、出そろった。中国など新興国の成長を取り込んだ独フォルクスワーゲン(VW)が2年連続で首位となり、16年に三菱自動車を傘下に収めた仏ルノーと日産自動車の3社連合が前年の3位から2位に浮上した。トヨタ自動車も過去最高になったが、中国市場でライバルに後れを取り6年ぶりに3位に後退した。
各社の発表をまとめた。VWの17年の世界販売台数は16年比4.3%増の1074万1500台と過去最高になった。シェア首位の中国で5.1%伸び、年間販売台数を20万台強上積みした。新興国も好調で、ロシアは14.8%増、ブラジルも19.5%増だった。
ルノー・日産・三菱自連合の17年の世界販売台数は前年の996万台から1060万8366台に増えた。1999年のルノーと日産の資本提携以来、主要部品の共通化を進めたことでコスト競争力が高まっている。16年に日産が34%を出資した三菱自も貢献し、初めて年間販売台数が1000万台を突破した。
小型セダンが好調な日産の中国販売が12.2%増え、日本メーカーで中国首位となった。ルノーは欧州や中南米に加え、アフリカや中東、インドで販売台数を伸ばした。三菱自も強みの東南アジアなどで台数が伸びた。
トヨタの世界販売台数は2.1%増の1038万6000台だった。世界で1023万台を販売した14年以来、3年ぶりに過去最高を更新したが、順位は16年の2位から後退した。中国販売の伸びが8万台弱にとどまるなど新興国における成長力で上位2社と差が開いた。トヨタ単体の世界販売の4分の1を占める米国でも得意とする乗用車の市場が縮み、0.6%減と2年連続でマイナスとなった。
世界の自動車市場は米ゼネラル・モーターズ(GM)が07年まで77年間、販売首位に君臨。リーマン・ショックが起こった08年にトヨタが首位の座を奪った。近年はトヨタとVWが1000万台前後で首位を競う構図が続いていた。
GMは欧州事業を仏グループPSAに売却するなど、収益性重視へと戦略を転換している。トヨタは09~10年の米国での品質問題を教訓に「前年を超える成長は必要だが、規模は追わない」(同社首脳)方針を示す。18年以降も世界首位に届かない可能性が高い。