ヤマト、大口顧客4割と契約終了 業績予想を上方修正
ヤマトホールディングス(HD)は30日、値上げ交渉をしていた大口顧客の4割が取引を解消したことを明らかにした。最大取引先のアマゾンジャパン(東京・目黒)は値上げを受け入れた。値上げが奏功し、2018年3月期の業績予想を上方修正した。値上げを通じた収益回復や人材確保の動きが広がってきた。
ヤマトHDは運転手らの人手不足で人件費などが増えたため、17年10月に個人向け料金を引き上げた。大口顧客1100社にも値上げを要請し、ほぼ全てと交渉を終えた。6割の大口顧客が契約を継続し、平均値上げ幅は「個人向けの15%より高い」(芝崎健一専務執行役員)という。アマゾンジャパンとは1月に運賃改定を実施した。
契約終了した大口顧客が荷物量全体に占める割合は明らかにしていない。一定量の荷物が減るが、値上げで業績は改善する。18年3月期通期の連結純利益は前期比20%減の145億円になる見通しで、従来予想から25億円上振れる。
佐川急便も17年11月に個人向け料金を引き上げた。ヤマト運輸や佐川急便から契約を移した顧客などを受け入れ、日本郵便の2017年12月の宅配便「ゆうパック」の取扱数が単月で過去最高だった。
デフレ脱却が日本経済の課題となるなか、値上げに動く企業が増えている。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市)を運営するユー・エス・ジェイは31日、9年連続の値上げを実施する。外食の鳥貴族は17年に28年ぶりの値上げに踏み切った。
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