メキシコ経済相、米のTPP復帰検討「額面通り受け取れず」
【モントリオール=鳳山太成】メキシコのグアハルド経済相は29日、トランプ米大統領が環太平洋経済連携協定(TPP)復帰の検討を表明したことについて「ほかのTPP参加国への最善の助言は、すべてのニュースを額面通りに受け取ってはいけないということだ」と述べ、まずは米国政府の真意を確認すべきだとの考えを示した。
同日までモントリオールで開かれた北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の会合後の記者会見で語った。米国を除くTPP参加11カ国は「とても慎重に対応すべきだ」とも指摘。トランプ氏の発言が、米国抜きで進めた交渉結果にすぐさま影響を及ぼすことがないようクギを刺した。
メキシコを含むTPP参加11カ国は2017年11月、米国抜きの「TPP11」に大筋合意した。18年3月に署名し、早期発効を目指す。トランプ氏は復帰の条件として再交渉を求める可能性がある。長年の交渉で合意に至ったTPPを見直せば、各国から改めて要求が出て収拾がつかなくなるため、日本政府にも慎重な見方がある。