畳んで運べる小型ドローン、DJI ジェスチャーで操縦
ドローン(小型無人機)最大手の中国DJIは25日、折り畳んで持ち運べる小型ドローン「マビックエアー」=写真=を28日に発売すると発表した。同社製では最も小型で、畳むとスマートフォン(スマホ)より少し大きなサイズになり、携帯しやすい。登山やサーフィンなどアウトドアスポーツで手軽にカメラ撮影できる。カメラは4K画像撮影に対応し、3方向で障害物を検知するセンサーなど最新技術を搭載した。
「撮影能力と安全性、携帯性という求められる全てを備えたドローンだ」。25日、都内で開いた発表会で日本法人(東京・港)のマーケティング担当、丸川英也氏は強調した。消費者の声を反映し、持ち運びやすさを最も重視して開発した。500ミリリットルペットボトル大に畳めた従来機の半分に小型化し、重さも43%軽くした。
カメラは3軸で衝撃を吸収する構造にし、撮影で画像がぶれにくい。1200万画素の静止画や高精細な4K映像を撮影できる。ブーメランの軌道のように近づいたり離れたりして撮影する機能も新たに搭載した。丸川氏は「プロのようにダイナミックな映像を誰でも簡単に撮影できる」と話す。
アウトドアスポーツや旅行に持って行き、手軽に楽しめるように離陸や操縦、撮影、着陸の基本動作を手と腕のジェスチャーでできるようにした。具体的には、約2.5メートル離れた場所から機体のカメラに向けて手をかざすと離陸する。空中で止まり、移動すると自動で追尾。カメラに向かってピースすると写真、両手の指で四角形を作ると動画を撮影できる。最後は手のひらを下に向け続けるだけで着陸する。
機体の前後と下に各2つの画像センサーを載せ、撮影用のカメラと合わせて障害物を検知する。ぶつからないように自動で回避するため、操縦技術は必要ない。操縦者から最大6メートルの距離までジェスチャーで動かせ、それ以上飛ばす場合はスマホの専用アプリや操縦機を使う。
価格は10万4000円。柿野朋子アソシエイトマーケティングディレクターは「観光地で貸し出すなど、ドローンに触れた経験のない消費者に便利さを知ってもらう機会を増やしたい」と話している。(池下祐磨)