米財務長官「2国間で自由貿易拡大」 TPP参加を改めて否定
【ダボス(スイス東部)=小滝麻理子】米国のムニューシン財務長官は24日、米国抜きで署名、発効する見通しとなった環太平洋経済連携協定(TPP)について「我々が重視するのは2国間の自由貿易協定の拡大だ」と述べ、参加しない意向を改めて示した。世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)が開かれているダボスでの記者会見で語った。
ムニューシン氏はその上で「トランプ政権は自由で公平な貿易を支持しており、『米国第一』は各国と協力しないという意味ではない」と強調。同席したロス商務長官は「多くの国が自由貿易を語りながら、実は保護主義的な行動を取っている。米国は真にビジネスに開かれ続ける」と主張した。
足元では対中国の巨額貿易赤字を巡り米中の緊張も高まっている。ムニューシン氏は中国による米企業の知的財産侵害や技術移転の強要について状況を調べており、証拠に基づいて対応策を判断するとした。
ムニューシン氏は好調な米経済や法人減税などについても言及し、「米国第一は米国だけでなく、世界に恩恵をもたらしている」と強調した。
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