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スポーツに不可欠 誠実さやフェアを考える

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今季のラグビーの国内シーズンが終わった。日本選手権決勝を制し、トップリーグを2連覇したサントリーで印象的だったのが、若い選手の勢いやひたむさきだった。

たとえば、FW第1列。左プロップの石原慎太郎が入部5年目、フッカー北出卓也は3年目で、右プロップ須藤元樹は2年目だった。経験がそれほど豊富でない選手たちが決勝という舞台でここまでやれるのは素晴らしい。

バックスでもCTB中村亮土やSH流大がさらに成長した。

流は試合の展開もよくわかってプレーできていたし、安定感も出てきた。声をよく出し、リーダーシップも発揮していた。仲間から信頼されている様子が伝わってきて、いいキャプテンになってきていると思う。

今季途中に加入した23歳のナンバー8、ショーン・マクマーンの突進力も効いていた。タイプとしてはサントリーよりも、前に出るラグビーを得意にしてきた東芝にいそうな選手だが、他のメンバーにはない特長でチームのスパイスになっていた。

新しい力とベテランの力がかみ合い、決勝では攻守でレベルの高いプレーをできた。ディフェンスでは規律を守り、一人ひとりが正確なタックルをする。攻撃でもボールを左右に動かしてSOマット・ギタウの正確なキックで仕留めた最初のトライは狙い通りだっただろう。

敗れたパナソニックは2人の外国人選手の負傷交代がやはり痛かった。SOベリック・バーンズがいなくなったことで、攻撃がやや単調になってしまった。交代で入った山沢拓也も将来が楽しみな選手だが、試合全体をデザインする力ではまだ向上の余地がある。

ボール奪取力の高いデービッド・ポーコックの不在で、試合の流れを変える大きなプレーも減った。彼ら2人がプレーしていればどんな決勝になったのか、見てみたかった。

プレー止まってもサントリーは結束

サントリーのエネルギーは、プレーが止まったときにも感じられた。円陣を組んで話し合う回数もパナソニックよりも多く、結束している様子が見て取れた。試合を見ながら、サントリーのこの試合に懸ける意気込みはいつにも増してすごいと感嘆していた。

それだけに、この4日後、ジョージ・スミスの逮捕が報道で明らかになったのは残念だった。事件が起きたのは2週間以上前の昨年12月31日。本人が否認しており、判断が難しい状況だったのは事実だが、そのことも合わせて日本選手権の前に発表してほしかった。

スポーツの価値を考えたとき、誠実さやフェアということは大きな意味を持つ。事情があったにせよ、何か隠し事をしているような状況で試合に臨むことは、選手の立場からすると少し苦しかったと思う。

僕の現役時代の東芝でも、2008年度のトップリーグの終盤に部員が薬物検査で陽性となる問題が起きた。シーズン最後の日本選手権への参加は辞退したが、2度目の検査で違反が確定する前に行われたトップリーグのプレーオフには出場することになった。

当時、主将として苦しい思いもしたし、他の選手も同じような気持ちを抱いていただろう。ただ、問題が世の中に明らかになっていた分、「自分たちが今やれることをやろう」とチームが気持ちを一つにできる面はあった。

今回の問題を機に、各チームや日本ラグビー協会も含め、誠実さやフェアということをもう一度考えたい。

今季は秩父宮ラグビー場の芝も大きな課題になった。ラグビー協会だけの責任ではないと聞くが、過去にないほど状態が悪く、スクラムなどの後に大きくはがれることが多かった。

選手のケガにつながりかねないだけでなく、芝の補修のために頻繁に試合が止まることも問題だった。試合の強度が本来の水準まで上がらないため、速い展開で攻めたいチームには不利に働いた。

日本代表も体格で劣る分、テンポの速さで相手を上回らなければいけない。この芝の上でプレーしていては強化にマイナスだろう。2月下旬からのスーパーラグビーのシーズンまでには改善してもらいたい。

現役時代より深くラグビー学ぶ

個人的なことでいえば、今年は東芝で初めてのコーチも務めた。担当したのはバックスの指導。戦術指導、練習メニューの考案、対戦相手の分析……。一通りの仕事をやった。

現役時代より深くラグビーを学ぶことになり、ここを攻めたらあそこが余るという、詰め将棋のような原理もさらにわかってきた。思っていることを言語で明確に伝える力も必要だし、限られた時間の中で何を捨てて何を実行に移すのかというマネジメントも含め、貴重な体験になっている。

今季はもともとの東芝のラグビーの強みを生かす戦い方に戻した。攻撃では立ってボールをつなぎ、守備では激しく前に出る。昨季までのラグビーとは違うだけに、そのスタイルになじむまで時間がかかった。最初の5試合は1勝4敗と苦しんだ。

しかし、このラグビーでいいとチームが自信を持ち始めた9月末からは8勝2敗。最終順位は6位だった。16年度の9位から上がったとはいえ満足できる結果ではないが、選手やスタッフの全員が同じ絵を見ることができ、チームの土台ができたという意味で次につながる1年だった。

今季は戦術面の練習に時間を割いたため、フィジカルやフィットネスの強化はそれほどできなかった。来季、ここに力を入れればさらに上にいける感触がある。

別の取り組みも考えている。ジェイク・ホワイト新監督のもとで久々の4強に入ったトヨタ自動車は、15年のワールドカップ(W杯)で日本代表のメンタルコーチを務めた荒木香織さんをスタッフに招いていた。

当事者以外の人がチームにいることは大事である。選手やコーチに話しにくいことでも打ち明けられる相手がいれば、選手が悩みや不満を募らせる可能性は低くなる。

ラグビーの練習だけでは成長に限界

ラグビーの練習だけをしていても成長には限界があるとも考えている。ニュージーランドには選手のセカンドキャリアを担当する専門家がいて、スーパーラグビーに参加する選手は週に1度、彼らと話をするそうだ。

来季は自分なりに考えて、東芝でもいろいろと試していきたい。今後の自分自身のラグビーキャリアや人生の大義について部員同士で議論してもらう。場合によっては、ラグビー部以外の友人に聞いてもらうことがあってもいい。自分の立場を客観的に見ながら成長してほしいと思う。

僕自身に関しても同様である。定期的に選手にアンケートを取り、練習やミーティングの成果、改善点を聞くこともしたい。外部から学ぶことも続けていく。今季の4強に割って入る争いをして、トップリーグをさらに盛り上げ、19年につなげたいと考えている。

(元ラグビー日本代表主将 廣瀬俊朗)

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