「外部と協業で革新加速」 Asia300サミット開幕
【シンガポール=早川麗】アジアの経営者や専門家らが地域の経済問題などについて話し合う「日経Asia300サミット」(主催=日本経済新聞社)が18日、シンガポールで開幕した。
登壇した防衛産業大手、シンガポール・テクノロジーズ・エンジニアリング(STエンジニアリング)のヴィンセント・チョン社長兼最高経営責任者(CEO)は「デジタル化のスピードはかつてないほど速く、外部との協業で革新の質とスピードを高められる」と指摘。M&A(合併・買収)や有望なスタートアップ・大学との連携によって、技術革新を加速する考えを強調した。
同氏は、2017年に買収した米ロボット製造会社アーソンを通じて、100を超える米国の病院に食事や医療器具を運ぶサービスを提供している事例を挙げた。
また、欧州最大級の応用研究機関、独フラウンホーファー生産技術研究所のクリスチャン・ブレッヒャー所長は、世界の製造業が集積するアジアでは、あらゆるものがネットにつながる「IoT」を活用して生産効率を高める「スマート工場」を拡大していくべきだと強調。デジタル化を進める中で実際の製造業のノウハウが重要で「日本企業にも商機が大きい」と話した。
Asia300サミットは「イノベーションによる大変革にどう挑むか」をテーマに開催。インドIT(情報技術)サービス大手、HCLテクノロジーズのスワパン・ジョリ副社長らも登壇し、デジタル時代の経営改革について議論を交わした。