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デーやマキロイ… 苦闘する4人のビッグネーム

ゴルフジャーナリスト ジム・マッケイブ

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おそらくゴルフファンなら誰もが知っているロリー・マキロイ(英国)、ジェーソン・デー、アダム・スコット(ともにオーストラリア)、フィル・ミケルソン(米国)の4人にとって2017年は振り払っても、振り払っても、霧の晴れない長い1年だった。

いや、プライベートはむしろ充実していた。

マキロイは昨年のメジャー第1戦、マスターズ・トーナメント終了後、人生の伴侶を得た。一時はデーがゴルフに集中するのが難しくなるほど、彼の母親のがんが悪化したが、今は回復に向かっているという。スコットには2人目の子供が生まれた。ミケルソンの長女アマンダさんは大学に進学した。つまり、ゴルフコースを離れたところでは笑みも少なくなかった。

コース上でそろって不振

その一方で、コース上ではそろって不振。合わせて100勝以上を挙げている4人だが、誰一人としてウィナーズサークルに立てなかったのである。

もっとも勝利に近づいたのはデー。彼は5月に行われたAT&Tバイロン・ネルソンでプレーオフに進んだが、惜しくもビリー・ホーシェル(米国)に屈した。ただ、彼にとってはそのときの順位が昨季のベスト。トップ10入りが5回あったが、見せ場をつくれなかった。

マキロイは2位が2回あったものの勝ち切れず、メジャー大会では3年連続未勝利となり、本人も「長すぎる」と漏らした。ミケルソンはトップ10入りを4回記録したが、トップ3に入ることはなかった。スコットは3位に1度食い込んだのが最高で、トップ10入りは4回にとどまった。

これまで当たり前のように優勝を重ねてきた彼らがそろって未勝利とは――。

象徴したのが四大大会ではないか。

ミケルソンは娘の高校の卒業式のため全米オープン選手権を欠場したが、そのほかの3試合では全英オープン選手権と全米プロ選手権で予選落ちを味わった。マキロイ、デー、スコットは全米オープンで予選落ちした。そう、全米オープンの決勝ラウンドには4人の姿がなかったのである。

また、フェデックスカップのポイントランキング上位30人だけが出場できるプレーオフ最終戦、ツアー選手権に出場できたのは、デーただ1人だった。

当然ながら、それぞれの世界ランキングも下がった。

17年の1週目と最終週を見ると、デーは1位で新年を迎えたが、最終的な順位は13位だった。マキロイも2位から11位へと下げ、スコットは7位から31位まで下がった。そしてミケルソンは19位から37位へと急降下。18年の1週目を終えて40位となり、彼がそこまで順位を下げたのは、ざっと遡ったところ、1993年以来だった。

キャディーとたもと分かつ

彼らには別の共通点もある。いずれも長年のパートナーだったキャディーとたもとを分かつ決断を下した。

まず6月、ミケルソンは92年からキャディーを務めていたジム・マッケイ氏との関係解消を発表し、2カ月後、今度はマキロイが08年7月から彼を支えてきたJP・フィッツジェラルド氏の元を離れている。

デーは9月に、12歳から彼のコーチを務め、プロ入りしてからずっとバッグを担いできたコリン・スワットン氏から、大学時代のルームメートにキャディーを変更した。同じころ、スコットと11年からコンビを組んでいたスティーブ・ウィリアムス氏の縁が切れている。

不振が背景にあるのかもしれないが、彼ら自身もなかなかゴルフに集中できなかった。

マキロイは先週、不整脈の発症を明らかにした。これまで結果が出なかったのは昨年12月に痛めた肋骨の影響とされてきたが、それだけではなかったのだ。

スコットは中・長尺パターのグリップエンドや手を胸部などにつけてストロークする「アンカリング」を巡る16年のルール変更に、今も翻弄されている。ミケルソンはダイエットで苦労していることを告白した。デーは母親のがん、夫人の流産などが重なり、顔を曇らせた。

仮に、そこにポジティブな面を見いだすとすれば、理由がはっきりしていることだろう。だが、それぞれの問題は今も解消されたとはいえない。たとえばマキロイはマスターズまでに8試合に出場する予定だが、今後もしばらくは継続的な経過観察が必要なようだ。

期待と不安が交錯する中で、彼らの1年が始まろうとしている。

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