景気一致指数、10年ぶり高水準 半導体生産など好調
内閣府が11日発表した2017年11月の景気動向指数(2010年=100、CI)は、景気の現状を示す一致指数が10月より1.7ポイント上昇し、118.1となった。2カ月連続で上昇し、リーマン・ショック前の2007年10月以来、約10年ぶりの高水準となった。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の広がりを背景に半導体関連の生産や出荷が好調だ。
内閣府は、一致指数からみた基調判断を「改善を示している」として据え置いた。
CIは指数を構成する経済指標の動きを統合して算出し、月ごとの景気変動の大きさやテンポを示す。前の月からの指数の変化で景気の「向き」を示し、水準で「勢い」をみることができる。
一致指数の直近のピークは17年8月の117.6で、消費増税直前の14年3月、08年2月と同水準だった。11月はこれらの水準を上回り、02~08年の戦後最長の回復の末期だった07年10月(118.7)以来の水準だ。
前の月と比較できる7つの指標のうち、6つの指標が上昇に寄与した。世界的に半導体製造装置の引き合いが強かったことから、鉱工業生産や投資財出荷の指数が改善した。鉱工業用生産財の出荷でもスマートフォン(スマホ)や車載向けの半導体部品が伸び、一致指数への上昇寄与度が高かった。
小売業の商業販売額も上昇寄与度が高かった。食料や飲料などの販売が堅調だったほか、気温の低下でエアコンや灯油も伸びた。日本国内で米アップルの最新スマホ「iPhoneX(テン)」が発売されたことも押し上げ要因となった。
数カ月先の景気を示す先行指数は10月より2.1ポイント上昇し、108.6だった。比較可能な9指標のうち、8つの指標が上昇に寄与した。