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初戦で見えた 森保五輪監督、まずメンタル改造を

サッカージャーナリスト 大住良之

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2020年の東京五輪を目指すチームが本格的に動き出した。

元広島の森保一監督が昨年10月にこのチーム(1997年以降生まれの選手たちで構成)の監督に就任。12月にタイで開催された親善大会に出場したが、Jリーグ閉幕直後ということもあってこの年代の主力はまったく招集できなかった。年が明けて1月9日に開幕したU-23アジア選手権2018中国大会が、実質的なスタートとなった。

鮮やかな先制点もその後は…

今大会は上海の衛星都市といっていい中国南部・江蘇省の4都市が舞台。1月10日、日本は揚子江に面した江陰市の江陰スポーツセンターで初戦をパレスチナと戦った。

立ち上がりから日本が圧倒的にボールを支配し、右MF藤谷壮(神戸)を使って繰り返しチャンスをつくるなか、20分、最終ラインからもち上がったDF板倉滉(川崎、18年シーズンは仙台でプレー)がMF井上潮音(東京V)とのパス交換でペナルティーエリア前まで前進、鮮やかに左隅に決めて先制した。

ところが、それまで借りてきた猫のようだったパレスチナがこの1点を境にがぜん奮起し、後半に入ると日本を上回るチャンスをつくっていつ同点にされても不思議でない展開となった。日本は相手の雑なシュートもあってなんとか無失点で切り抜け、1-0の勝利をつかんだが、苦しい試合内容だった。

14年に第1回が行われ、2年ごとに開催されているU-23アジア選手権。偶数回は五輪イヤーと重なり、五輪予選を兼ねる大会となる。前回、16年にカタールで開催された第2回大会は、手倉森誠監督率いるU-23日本代表が韓国の気の緩みをついて0-2からの大逆転で優勝を飾り、リオデジャネイロ五輪の出場権を獲得した。

五輪見据えU21で臨む日本

奇数回の今回は五輪とは無関係。しかし日本は第1回(ベスト8)と同様、2年後のオリンピックを目指すU-21で参加している。アジアのなかでもフィジカルでは劣る日本。この年代での2歳の差は、想像以上のハンディといえる。

だが、森保監督はこの大会にもベストメンバーを招集したわけではない。FW堂安律(オランダ・フローニンゲン)など海外のクラブでプレーする選手は今回対象外とされた。それだけでなく、DF中山雄太(柏)など昨季のJリーグでフルに戦った選手も休養させるために除外した。さらには、昨年12月の東アジアE-1選手権で日本代表に招集されたMF初瀬亮(G大阪)は、直前の負傷で欠場となった。

初戦を前に一緒に練習できたのは、1月2日に始まった国内合宿を含めてわずか8日間。そのなかで、森保監督は自らが広島の監督時代に使った3-4-2-1システムでスタートを切った。

GK小島亨介(早大)、DF庄司朋乃也(金沢)、立田悠悟(清水)、板倉、MFは右に藤谷、左に浦田樹(北九州)、ボランチに神谷優太(湘南→愛媛)と井上、「シャドー」に三好康児(川崎→札幌)、岩崎悠人(京都)、そしてワントップにFW小松蓮(産業能率大)。このうち、GK小島、DF板倉、MF三好、岩崎の4人は昨年のU-20ワールドカップに出場した経験をもっている。

16チームが4グループに分かれて戦い、各組上位2チームが準々決勝に進出する今大会。日本の入ったB組には、パレスチナのほか、北朝鮮とタイがおり、日本―パレスチナに先だって行われた試合では北朝鮮がタイに1-0で勝っている。

フィジカルに押されて後退

「厳しい試合だったが、チームがやろうとしていることに選手たちがトライし、粘り強く戦って勝ち点3を得たのは良かったと思う」

パレスチナに勝利した後、森保監督はこうコメントした。しかし実際には、失点後ギアを上げたパレスチナにたじたじとなり、攻守両面で課題が出た試合だった。気温3度という寒さに相手のエンジンがかからなかった序盤は思うようにプレーできたが、相手がフィジカルを生かした攻守を見せるようになると、シュートも打てず、相手からボールを奪えずにずるずると自陣ペナルティーエリア近くまで下がらざるをえない展開になってしまったのだ。

それでも、試合を見ながら「能力の高い選手がそろっている」という印象を受けた。とくに神谷と井上の両ボランチは高い技術と戦術眼の良さを見せ、チームを牽引した。DFラインの選手のなかでも、技術の高さを見せた板倉、そして圧倒的な高さと長い足を利してのタックルを見せた立田は高い将来性を感じさせた。

「前へ」欠如、育成年代に共通

問題は、その技術や戦術眼が、先制した後、追加点を挙げ、ダメ押し点を奪って勝ちきる試合運びにつながらなかったことだ。相手が少しアグレッシブに(そしてラフに)なると、すぐに横パス、バックパスに逃げてしまう。それが相手ペースになってしまった原因だった。

こうした欠点は、日本の育成年代に共通するものだ。技術は高く、パスワークもうまい。しかし相手ゴールに向かっていく気迫が感じられない。そしてそうしたプレーを繰り返している間に、試合はどんどん悪い雰囲気になってしまう。

この試合を見て強く感じたのは、森保監督の最大の仕事は「メンタリティーの改造」だという点だった。

パスを受けるとき、選手は状況を判断し、次のプレーを決める。前にパスの出しどころがなければ、後ろや横へパスを回してスキが生まれる瞬間を待つことになる。だが日本の選手たちは前に出せるはずのときにも出さず、後ろや横に回すことが圧倒的に多い。

現在の世界の潮流は、「スキあらば前へ」という攻撃だ。まず前に行こうという意識があるから、一瞬のスキを見逃さずに攻撃を前に進めることができる。スキがなければ、自分で仕掛けてそのスキをつくり出す。後ろや横にパスするのは、それでもスキが生まれなかったときだけだ。その意識が、現在の育成年代の日本選手には決定的に欠けている。

まだスタートしたばかり。森保監督の指導が浸透しているわけではない。だが、森保監督がこのチームでするべきことは、この1試合で見えた気がする。高い技術と能力を持ったこの選手たちが、「前へ進もう」という意志、立ちふさがる相手から逃げずに立ち向かう強いメンタリティーを持ったら、どんな目標でも達成できるはずだ。

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