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2018企業どう動く(下) ヤマト、配送維持へ自動運転

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(1)ヤマト運輸

深刻な人手不足が続く物流業界。2018年は人材の争奪戦がますます激しくなり、人件費の高騰を受けた値上げの動きも広がりそうだ。宅配最大手のヤマト運輸など物流各社は自動運転技術やドローン(小型無人機)といった新技術の導入に取り組むなど配送網の維持に懸命だ。

ヤマトはネット通販の荷物の増加で従業員の長時間労働が問題となり、19年度までに夜間配達専門の運転手を1万人配置する計画を立てている。個人事業者の運転手を契約社員として採用するなどして確保する考えで、正社員の残業時間の半減を目指す。

とはいえ、業界全体で見ても人手不足の抜本的な解消のメドは立たない。配送員への負荷が大きい再配達の削減など配送を効率化するため、各社は先端技術を積極的に取り入れようとしている。

ヤマトはディー・エヌ・エー(DeNA)と組んで、自動運転技術を活用した宅配サービス「ロボネコヤマト」の実用化を目指している。

17年4月から神奈川県藤沢市で実証実験を開始。利用者が指定した場所と時間に自動運転車で荷物を届ける。地域の集配所から受取人までの「ラストワンマイル」の効率化が大きな狙いだ。現在は安全確保のために人が乗り込むが、18年度中に一部区間で自動運転を取り入れる計画だ。

ヤマトだけではない。日本郵便は18年度中に宅配便の輸送にドローンの本格導入を目指している。17年11月に長野県伊那市で郵便局と道の駅の2キロメートルを輸送する実証実験を実施した。規制や安全面の課題があるため、実用化に当たってはまず郵便局間の輸送への導入を検討している。

国土交通省の主導で「後続無人隊列走行」の実証実験も18年度中に始まる予定だ。高速道路での長距離輸送の効率化を目指しており、先頭のトラック車両は人が運転するが、その後ろを追走する2~3台は無人運転を想定する。長距離トラックは特に運転手が不足しており、物流各社が共同で参加する仕組みにしたい考えだ。

先端技術の活用を進めても当面のコスト上昇をカバーできないのも事実で、運賃の上昇は避けられそうにない。

ヤマトと佐川急便は17年10~11月に個人向け料金を引き上げた。18年3月には日本郵便が宅配便「ゆうパック」を平均12%値上げする予定だ。東京―大阪間の最安料金は現行の840円から950円に上がる。

運転手不足は企業間物流を手掛ける運送会社も同じ。福山通運は1月中に値上げを専門に担当する部署を設ける。一部の荷主との値上げ交渉を直接担うほか、各営業所の指導にも当たる。18年に16年度比1割の値上げを目指す。西濃運輸も17年度下期に前年同期比1.8%の値上げを見込む。物流コストの上昇は消費財などの価格にも大きな影響を与えそうだ。

(2)武田薬品工業 稼げる分野を育成へ

武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長にとって、2018年は目配りすべき経営課題が多い。最大手とはいえ競合より低い売上高営業利益率を高め、がんなど重点領域の開発品目を増やし、さらには4月以降の日本の薬価引き下げに対応していく必要がある。

武田は新薬に恵まれず売上高に占める営業利益の割合が低いと指摘されてきた。最近になって潰瘍性大腸炎治療薬「エンティビオ」、血液がん治療薬「ニンラーロ」が伸びているが、それだけでは十分ではない。

ウェバー社長は営業利益率が「低いことは認識している」と語る。18年3月期は久しぶりの2ケタ台となる11%を見込むが、トップクラスの塩野義製薬(32%)から大きく離され、アステラス製薬(17%)、中外製薬(17%)などより低い。

18年6月で就任から5年目へ突入するウェバー社長はがん、消化器、中枢神経の3領域に一層集中すると見込まれる。すでに特許切れの薬をイスラエルのテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズとの合弁会社に譲り渡し、試薬製造の和光純薬工業を富士フイルムホールディングスに売却した。

営業利益率を高めると同時に、研究開発力を強化する必要も高まっている。米・ボストンではがん、消化器分野の開発を進めるため、日本人研究者を異動させるなどの大規模な配置転換を進めている。

日本では湘南研究所(神奈川県藤沢市)で中枢神経に力を入れているが、それだけではない。将来の成長を狙い、京都大学との再生医療分野の共同研究も進展が見込まれる。

がん分野では新型の治療方法が相次いで登場し、グローバルでの成長を目指す武田にとって本来、M&A(合併・買収)も引き続き重要な選択肢となる。ただ、17年に米アリアド・ファーマシューティカルズを54億ドルで買収して有利子負債が拡大したことから、しばらく大型のM&Aには慎重になるのではないかとの見方がある。

18年4月に日本で薬価制度の抜本改革が実施されることが決まった。新薬の価格を維持する「新薬創出加算」と呼ぶ仕組みが縮小されたり、一部の長期収載品の薬価が引き下げになったりと、製薬業界にとって厳しい制度変更となる。武田も影響を受けるのは確実だ。

現在好調な米国に加え新興国も含めて海外部門を伸ばしつつ、国内でも攻めと守りを両立させるなど、18年はウェバー社長の真価が問われる1年となる。

(3)資生堂 訪日後も需要逃さず

インバウンド(訪日外国人)消費が近年の成長をけん引してきた日用品・化粧品業界。2018年はインバウンドを通じた日本ブランドの認知の高まりを、海外事業のさらなる成長につなげる「ポスト・インバウンド」の戦略が試される。

17年1~11月の訪日外国人数は前年同期比19%増え、通年でも過去最高を更新する。資生堂のインバウンド向け売上高も17年12月期に前の期比55%増の535億円を見込むなど絶好調だ。

だが、同社の魚谷雅彦社長は「消費者は世界を移動している。国内インバウンドだけにとらわれず、資生堂がグローバルに展開する販売網全体で購入機会を増やすことが重要」と強調する。

実際、日本国内で資生堂商品を購入した訪日外国人の半数以上は、帰国後も越境EC(電子商取引)などで同社の商品を購入しているという。日本を訪問した人たちが帰国した後もどれだけ接点を維持・強化できるかが、ポスト・インバウンドのカギを握る。

資生堂は18年、重点市場である中国でアリババ集団など現地通販事業者との提携を深める。共同でのプロモーション展開にも積極的に取り組む。17年に中国市場に投入した「NARS」など新たなブランドの店舗展開も加速する。

コーセーも18年以降、インバウンドに人気のスキンケア「雪肌精」について中国国内で専用売り場の展開を加速する。中国唯一の工場は売却し、国内工場からの輸出を増やす。花王もスキンケア「キュレル」や、グループのカネボウ化粧品のメーキャップ商品のアジア展開を強化する。

当面はインバウンド需要の拡大が続きそうだが、現地流通や越境ECの潜在力は大きい。様々なチャネルを駆使して海外での需要をいかに効果的に取り込むか。その巧拙が勝敗を分けそうだ。

(4)キリンビール ビールの個性を磨く

2018年のビール業界は大手各社による業務用商品の値上げが大きな焦点となる。消費者のビール離れに拍車がかかるという見方も広がるなか、キリンビールはクラフトビールに代表される「個性のある商品作り」へと明確にカジを切る。

各社の値上げの背景には17年6月の酒類の安売り規制強化がある。正当な理由無く原価を下回る価格で販売することができなくなり、缶ビールなどが値上がりした。さらに物流費の高騰などを受け、18年春には飲食店向けなど業務用商品を10年ぶりに値上げする。

一段と進みそうなビール離れをどう食い止めるか。キリンビールが出した答えの一つが味や香りが個性的なクラフトビールの強化だ。布施孝之社長は「(ビール離れが指摘される)若者も付加価値のあるクラフトビールは喜んで手に取ってくれる」と強調する。

強化策の一つが「タップ・マルシェ」と呼ぶ飲食店向け専用サーバー。1台で4種類のクラフトビールを提供できる。18年は展開エリアを全国に広げ、年末までに5千店への導入を目指す。

様々な味わいを提案するために「クラフト連合」とも呼べる連携も広げる。タップ・マルシェでは出資するヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)や米ブルックリン・ブルワリーのほか、資本関係のない木内酒造(茨城県那珂市)のビールも提供する。

「モノ」から「コト」へと消費が激しく変化するなか、ビールも品質やストーリー性が消費者をひき付ける。キリンの戦略はビール業界の未来を試すことにもつながりそうだ。

(5)三井不動産 「日本橋」が本格始動

2020年の東京五輪を前に注目を集めそうなのが三井不動産の日本橋エリアの再開発だ。

重要文化財である高島屋日本橋店(東京・中央)を核とする約2.6ヘクタールの「日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業」では商業ゾーンで大屋根付きの歩行者専用道路が整備される予定だ。

区域内ではA街区で地上27階建ての「太陽生命日本橋ビル」が1月に完成。三井不や高島屋などが共同で進めるC街区では同32階建ての「日本橋高島屋三井ビルディング」が6月に完成する。

B街区の高島屋日本橋店と低層部の商業施設は高島屋が一体運営する予定だ。テナント誘致にめどがつき、ほぼ満床の状態で開業を迎えられる見通し。

区道284号線は都市計画により歩行者専用道路となり、上空には大屋根が設置される。路面店舗化される両ビルの低層部と共に「日本橋ガレリア」(仮称)として新たなにぎわいを創出。東京五輪で来日する外国人の注目を集めそうだ。

三井不は「日本橋再生計画」の第2弾として、日本橋から南側の八重洲に至るエリアの再開発を強化する方針を打ち出している。JR東京駅前では東京オリンピックの開催後も地上200メートル級の大型ビルの開業計画が控える中、日本橋二丁目地区はエリアの魅力を高める上で重要なカギを握ることになりそうだ。

(村松洋兵、戸田健太郎、松井基一、湯前宗太郎、加藤宏一)

[日経産業新聞 2018年1月5日付]

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