フジモリ元大統領が退院 ペルー、10年ぶり自由の身
【リマ=共同】在任中の人権侵害事件で禁錮25年の刑に服し、ペルー政府から恩赦を与えられたフジモリ元大統領(79)が4日、不整脈などの治療を受けていた首都リマ市内の病院を退院した。約10年間収監されていたリマ郊外の警察施設には戻らず、晴れて自由の身となった。
フジモリ氏は昨年12月23日、体調不良を訴え入院。同24日にペルー政府が恩赦を与えていた。その3日前の21日に議会でクチンスキ大統領の罷免決議案が否決された際、仲間と共に棄権したフジモリ氏の次男ケンジ議員と大統領の間で、恩赦を巡る裏取引があったとの観測が流れている。
フジモリ氏は2000年の失脚後、日本で事実上の亡命生活を送っていたが、大統領選出馬を目指して05年11月にチリに入国し拘束された。06年5月にいったん保釈された後、07年6月に自宅軟禁となり、同年9月にペルーに身柄を引き渡された。左翼ゲリラと間違えられた市民らが軍に殺害された事件などで10年に禁錮25年が確定した。