働きアリより賢いキリギリスに
2018年の幕開けとともに私たちは歴史の節目を迎えた。明治元年から150年。世界への扉が大きく開かれ、常識が根底から覆った当時の日本は国も国民も新しい時代へとひた走った。その後、幾多の苦難も経験し、今の私たちはまた自信を失いかけている。次の150年は今年から始まる。維新再び――。新しい日本の道しるべを考えてみた。
あっけらかんとまねてみる。150年前の文明開化は当時の日本人のすがすがしいまでの潔さが原動力だった。「ざん切り頭をたたいてみれば……」という文句を持ち出すまでもなく、国家が半ば強制的に西欧化へと国民を駆り立てた。
今の私たちは一時期の成功体験にすっかりとらわれ、ちょっとばかりの自尊心が世界に学ぶことを妨げていないだろうか。中国やインドの台頭など、日本を取り巻く環境の変化は明治以上の広がりと深さを持つ。一人ひとりがあっけらかんと扉を開けば、新しい文明開化の鐘が鳴る。...
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