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身体と風と対話する スキージャンプ・高梨沙羅

平昌五輪 2月9日開幕

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 冬季では1998年長野大会以来のアジア開催となる韓国・平昌五輪が2月9日に開幕する。スキージャンプの高梨沙羅(21、クラレ)ら日本選手の準備も大詰めだ。4年前のソチ大会で日本が得たメダルは8個。平昌でこれを上回り、開催国となる2020年夏季の東京大会に弾みをつけたい。

「体の機能を利用することについて考えるならビタミンA群、B群。うまく細胞膜を修復するのはビタミンE……」。最近の高梨からは食について専門家顔負けの用語がぽんぽんと飛び出す。14年に日体大に進学し、一人暮らしを始めたジャンパーはいま、「自分の体をもっと知りたい」と探究心に燃えている。

日欧を往来しながら体重管理も欠かせないジャンプ競技は日々コンディションとの戦いだ。遠征で体重を減らしたり、体調を崩したりしがちだった高梨は12年、森永製菓ウイダートレーニングラボの管理栄養士、細野恵美を訪ねた。

細野によると、軽量なほど飛べるという考えにとらわれていた当時の高梨は減量ありきの食生活。過酷な練習をこなしているのに、一般女性より食が細い。試合前や待ち時間には何も口にしなかった。

「食」はアスリートの血肉。食事自体がそのまま悪というわけではない。食事をともにしながらそう説いた細野に啓発され、高梨は栄養の知識を自ら吸収するようになる。

試合中もカステラやおにぎりでエネルギーを補給した。「バランス良く食べるように心がけると集中力が続き、試合後も疲労感が少なくなった」と高梨。だが4年前のソチ五輪では、絶好調で満を持して入った選手村に落とし穴があった。

細野ら帯同スタッフが入村できず、食環境も不十分なものだった。ストレスもあってか体重がうまく保てず、失意の4位。「あの時は義務感で食べていました」と大会後、細野に打ち明けた。

いま、独り立ちした高梨を細野は頼もしく感じている。「どういう状態でいなくてはいけないか彼女はもうわかっている。私が教えるまでもない」。遠征への付き添いは昨季限りでやめにした。自炊しながら体組成の値を大きく向上させた教え子は、禁欲的なまでに厳格だった食事制限を少し緩めて、試合後は自分へのご褒美で甘味を口にする。「心の栄養も大事」と言う余裕もできた。

ソチの後、「オフ」の大切さを常々口にするようにもなった。食事と同様、毎日8時間以上の睡眠を心がけている。「使い始めてコンディションががらりと変わった」という高反発マットレスを遠征の荷に詰める。

風という外的条件と自分の「内なる世界」との調和をはかるジャンプとは、ゴルフにも通ずるメンタルスポーツだ。滑り始めればあっという間に勝負が決まる。「脳をしっかり休めないと自分のイメージがうまく作れず、体とうまくリンクできない」。試合の時間から逆算して生活を組みたて、絶え間ない移動に伴う時差ボケとも戦った。

2月12日の本番で飛べるのはノーマルヒルの2回だけ。その一瞬のために食べ、眠り、鍛えた高梨はこう思う。「最後は自分を信じて飛べばいい」。4年前とは違う、心身の自律と健康をかなえた大人のジャンパーが平昌の風と対話する。=敬称略

(西堀卓司)

睡眠の質と量、勝敗を左右――スタンフォード大・西野教授に聞く
 スポーツ界では食事のみならず睡眠とパフォーマンスの関係が注目されはじめ、高梨も寝具・クッション材のエアウィーヴ社の支援を受けている。この分野について、米スタンフォード大睡眠生体リズム研究所所長の西野精治医学部教授に聞いた。
 両者の相関は予測できていたが、これまでのスポーツ医学はけがの予防やリハビリなど整形外科が中心。きっちりデータを取るには至っていなかった。だが睡眠の質や量が及ぼす影響が実験で明らかになりつつあり、米国やカナダで研究が盛んになっている。
 先駆的な例が2011年に男子バスケットボールチームを対象にした米スタンフォード大の研究者の実験。選手を毎日10時間ベッドに入れると、フリースロー成功が10本当たり平均7.9本から8.8本に増えた。
 私も14~15年にエアウィーヴ社と共同で米IMGアカデミーの23選手を被験者に実験した。高反発で通気性に優れたマットレスの有無で(前後左右、斜めに素早く反復運動する)スタードリルといった敏しょう性に統計上の有意差が認められた。
 睡眠不足状態は脳振とうを起こしているのと同程度の悪影響を及ぼすと話す研究者もいる。睡眠と脳や神経活動のメカニズムの研究は難しい領域だが、コンマ何秒を争うトップアスリートの世界を変えうる大きな可能性を秘めた分野と言える。

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