インドネシアのバリトー、1100億円増資へ 地熱発電会社を買収
【ジャカルタ=鈴木亘】石油化学が主力のインドネシア財閥バリトー・パシフィックは13日、株主割当増資の一種「ライツ・イシュー」で最大10億ドル(約1100億円)を調達すると発表した。同社のオーナーが所有する地熱発電会社を傘下に収め、大型投資に備えて収入源を増やす。
増資は2018年3月に実施する予定。バリトー株の約7割を持つプラヨゴ・パンゲストゥ会長は保有比率に応じて7億ドル程度を引き受ける見通しだ。調達した資金の5割強はプラヨゴ氏が66.7%を保有するインドネシアの地熱最大手スター・エナジー・グループ・ホールディングスの株式取得にあてる。
バリトーはインドネシアの石化最大手チャンドラ・アスリ・ペトロケミカルを傘下に持ち、16年の売上高は19億6000万ドル。総事業費40億ドル程度のナフサクラッカーの新設など大型投資を計画しており、スター・エナジーの子会社化で新たな収益源を得る。スター・エナジーは875メガ(メガは100万)ワットの発電能力を持ち、子会社には三菱商事も出資している。