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東大軟式野球部、快進撃の秘密 5年ぶりリーグV

編集委員 篠山正幸

(更新)
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東大が東京六大学軟式野球の秋のリーグ戦で優勝、東日本大学選手権でもベスト8入りの快進撃をみせた。浪人生など、野球のブランクが長かった選手も少なくない。ハンディをどうやって克服したのか。

軟式のリーグも硬式野球と同じ六大学で構成され、春秋の2季制をとっている。

大混戦となった秋のリーグ、東大は7勝2敗1分けで立大などを振り切り、2012年春以来、5年ぶりに優勝を果たした。

秋の上位2チームが出場できる東日本大学軟式野球選手権。1回戦の相手は東北第2代表の仙台大。二回に先発の小林瑶平(栄光学園、教養学部2年)が先制を許すと、四回にエースの西野巧人(城北、教養学部2年)に交代。

飛距離があまり出ず、点の入りにくい軟式野球の1点は重い。これ以上の追加点は許さない、という継投だったが、五回西野―西池雄志(戸山、農学部3年、水圏生物科学専攻)のバッテリーが、四死球から足をからめた攻撃で揺さぶられ2失点。軟式では大きな3点差となってしまった。

だが東大は相手の一瞬のスキを見逃さなかった。六回から継投に入った仙台大の2番手投手が、1死から3連続四球。ここで東大は七番の静間崇元(水戸第一、教養学部1年)が左翼へ2点二塁打。1点差とすると、8番川崎大幹(城北、教養学部2年)が右前に合わせて適時打。相手の送球ミスもからんで、逆転の走者もホームを踏んだ。

ワンチャンスにかける集中力

リーグ戦から相手投手の代わりばなにつけこむことが多かったという東大。ワンチャンスにかける打者の集中力は際立っていた。

殊勲の川崎は「いつも一打席、一球に集中している」と話した。「うしろに西野といういい打者がいるので、とりあえずしっかり前に飛ばそうと思った。強い打球を打とうと思っただけで、大きなのは狙っていない」と、状況に合わせたスイングに徹していた。

途中から9番に入った西野は打撃もいい。硬式で甲子園を目指した城北時代は都大会のベスト16も経験している。大学では勉強とのバランスを考えて、軟式野球部に入ったという。

七回にも得点し、2点のリードをもらった西野は「低めに集めよう」と意識して立ち直り、七回以降は3人ずつで抑えた。四回の死球と合わせ、2死球があったが、シュートを持ち球にする西野にとっては想定内。終始冷静さを保っていた。

2回戦の白鴎大(北関東第1代表)戦は1-2の九回裏、西野の安打を足場に追いつき、十回2死一、二塁から西野が左中間に運び、逆転サヨナラで勝利を収めた。

準々決勝で日体大(東都第1代表)に3-5と敗れたが、東京六大学の代表の名に恥じない戦いぶりだった。

強さの秘密は何か。顧問の上坂充教授(原子力)は「グループをつくって、ローテーションで練習を行い、効率的にやっているようです」。そこで、東京・駒場のキャンパスにある野球場を訪ねてみた。

都内も気温5度まで冷え込んだ12月4日。昼前の授業に間に合うよう、練習は太陽の昇りきらない午前7時すぎから行われていた。

「早出組」の素振りから始まり、ウオーミングアップ、キャッチボール、トスバッティング、シートノック、フリー打撃と続くメニューはごく当たり前のものだが、各選手の「手待ち時間」がほとんどないのが、目に付いた。

細かくグループ分けして練習

外野を使って打撃練習をするかたわら、ダイヤモンドでは腹・背筋などを鍛えるトレーニングや、捕手の二塁送球練習を行うなど、7つほどのグループに分かれて行動。ぶらぶらしている選手がいない仕組みになっている。

プロ野球のキャンプでも、人の練習を黙ってみているような非効率な時間が生じることがあり、レベルを問わず、野球につきものの難題になっている。

ボールが当たっても大けがにつながりにくい軟式だから、一つのグラウンド内で、同時並行でいろんなことに取り組みやすいという面もある。しかし、何といっても工夫のたまもの。約2時間半の練習が密度の濃いものになっている様子がうかがえた。

東大の学生は高校時代に野球に取り組んでいても、受験に備えて2年まででやめたり、浪人して入ってきたりする。

野球のブランクが長い選手が多く、そこが一番の課題、と主将で監督の平野裕(久留米大付設、工学部3年、社会基盤=土木専攻)は話す。「個々人の力で圧倒するような王道の野球はできない。そこをみんなでカバーするのが自分たちの野球」

細かいグループ分けには練習効率を高めると同時に、もう一つ重要な狙いがあった。

内野なら内野、外野なら外野とそれぞれリーダーを決め、各グループで責任を持つようにしたのだ。

外部から年上の監督を招くわけではないから、チームは基本的にフラットな構成になる。上から抑え込む"重し"がきかない分、規律や士気を保つための工夫が必要になる。そのために取り入れたのが小ユニットに分け、各分野の責任を明確にしていくやり方だった。

主軸の一人でもある西池によると、練習では先輩たちから受け継いだ伝統的なもののよいところは残し、自分たちで考えた新しいやり方も加えている。

平野主将になってから新しく取り入れたのは走力の強化。とびきり速い選手ばかりでなくても、一人ひとりが少しずつ伸ばしていけば、大きな力になる。

「それまで相手に足でプレッシャーをかけられてばかり。自分たちもそれができるようにならなければ」(平野)。足が備わることで盗塁などの作戦の選択肢が広がり、相手守備陣にかかる圧力も格段に強くなる。

スピードという野球の原点に立ち返った強化といえる。打撃練習でも原点に回帰し、速球に力負けせず、打ち返すことに主眼を置いてきた。

慶大に軟式の日本代表に選ばれている速球派がいる。この投手は結局、秋のリーグ戦でも攻略できなかったが、速球への対応力が徐々に上がり、それが東日本大会での2勝につながった、と平野は話す。

選手全員が目的意識を共有

選手全員が目的意識を共有することが、団体競技の強化の最大のポイントになる。そうした要点を押さえた東大のやり方は組織づくりとしては「王道」をいっているのかもしれない。

ちょうど今、軟式野球は少年野球から社会人まで、一大変革期を迎えている。来年度の大会から使用球がM号球という新規格のボールに変わるのだ。低得点という問題点を改善するため、従来の球より、飛距離を出すことを目指したものだ。

東大も今月1日の練習から新球に切り替えた。使ってみた感触では「飛び」が飛躍的に伸びた感じはしないというが、守備面でバウンドが以前の球より小さくなる印象があるという。

ハンディを克服した適応力が、新球への対応でも試されることになる。

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