JTB、災害時の事業継続を支援 関西で宿泊先確保
JTBは21日、災害に備えて企業が策定する事業継続計画(BCP)の実効性を高めるサービスを売り出すと発表した。第1弾として、災害時に本社機能を首都圏から関西に移す企業向けに、宿泊先と貸し切りバスを手配するサービスを2018年4月に始める。宿泊施設などとのパイプを生かし、あらかじめ決めた人数を収容できる部屋や車両を優先確保する。
新サービス「リカバリュー」は、移動する役員や社員の人数と宿泊期間を事前に契約で決める。期間は2週間、3週間、4週間から選ぶ。災害時はJR大阪駅に1時間以内で着けるホテルの部屋をJTBが手配する。まず10程度の施設と特別契約を結び、空室を優先して回してもらう。
契約企業はJTBが危機管理情報サービスのレスキューナウ(東京・品川)と開発した専用システムで宿の手配を要請。4営業日目から泊まれるようになる。さらに、ホテルが必ず確保できるとは限らないため、レオパレス21とも連携して家具・家電付き賃貸住宅も紹介する。要望があれば貸し切りバスも用意する。
20人の移動の場合、サービスの年間契約料は600万円。災害発生時に移動したり宿泊したりする実費は別途かかる。毎年契約を更新して中身を見直す。年1回の訓練も用意する。向こう3年で100社との契約をめざす。
都内で記者会見したJTBの佐藤一哉常務は「旅行事業と関係の深いホテルやバス会社とのつながりを生かし、BCPを支援していきたい」と語った。