私立大の学部譲渡容認 文科省が検討
文部科学省は、私立大学の学部を別の大学に譲渡できる制度を導入する検討に入った。現在は設置者の変更は大学全体についてのみ認められている。学部単位で変更できるようにすることで、学部の切り売りによる経営改善や、特色をより生かした経営ができるようになる。18歳人口が減るなど大学を取り巻く環境が悪化するなか、再編を後押しする狙いだ。
学校教育法は学部単位の設置者変更を認めていないため、現在は一度学部を廃止した上で、引き受け大学が改めて学部を新設する必要がある。法改正で簡素な手続きで学部が譲渡できるようになれば、大学間の再編が進む可能性がある。
例えば経営が悪化している大学が運転資金を確保したり、学生が集まらない学部を切り離したりできるようになる。引き受ける側の大学は教員や学生を引き継げるため、強みのある学部の規模拡大などを機動的に進められるようになる。
一方で大学都合の再編は、学生の不利益となる可能性もある。法改正にあたっては譲渡に際するトラブル発生を抑えるルール作成が課題となりそうだ。