3カ国閣僚は欠席 NAFTA再交渉第5回会合
【メキシコシティ=丸山修一】メキシコ政府は15日、米国、カナダと進めている北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第5回会合に米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表、カナダのフリーランド外相、メキシコのグアハルド経済相の各国閣僚が出席しないと発表した。各国閣僚は首席担当官と交渉の進展などに関して密に連絡を取り合うとしている。
8月に始めたNAFTA再交渉の会合で3カ国の代表が出席しないのは今回が初めて。メキシコ政府の声明によると、ベトナムで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で3カ国の代表がそれぞれ会談。各国の閣僚はそれぞれの首席交渉官にできる限り多くの分野を進展させるよう指示しており、今回の会合にはそろって出席しないことで合意したという。
再交渉の第5回会合は17日にメキシコシティで始まる。正式な会合開始に先立ち、15日に繊維製品や知的財産権といった一部の項目で実務担当者による交渉が始まった。会合は21日まで開かれる予定だ。域内の国でつくられた部材をどれだけ使っていれば無関税を認めるかどうかを定める「原産地規則」などが議論される見通しだ。
ロス米商務長官は14日の講演で、米国が協定を破棄すればメキシコ、カナダの「両国は米国よりも大きな打撃を受ける」と述べ、原産地規則などで譲歩を迫っている。