西武HD、ライオンズの本拠地を改修
西武ホールディングス(HD)の傘下で、プロ野球の西武ライオンズは15日、埼玉県所沢市にある本拠地、メットライフドーム(旧・西武ドーム)の改修を12月に始めると発表した。投資額は180億円で、完成は2021年春。1979年の新設以来の大がかりな工事になる。VIP席や子供向け広場を設け、幅広い層の集客をもくろむ。
「西武ライオンズは西武のシンボル。(今回の改修により)新しい価値を提供することで、新たな人に来てもらえるようにしたい」。西武HD社長で西武ライオンズの取締役オーナーでもある後藤高志氏は都内で記者会見を開き、改修にかける意気込みを強調した。
計画では、ネット裏に約430席分のVIP席を設ける。家族で来た人たちが楽しめるように屋外広場やフードエリアも新たに用意する。雨天でも選手たちが思う存分鍛錬できるように大型の室内練習場も備える。
メットライフドームは79年に西武ライオンズ球場としてオープンした。99年に屋根がかかって西武ドームになり、2017年にメットライフ生命保険が球場の命名権(ネーミングライツ)を取得し、現在の名称になっている。収容人員は3万3千人。
音楽ライブや演劇、スポーツ観戦の人気が高まり、「コト消費」と呼ばれる体験型消費が盛り上がりをみせている。西武HDもイベント関連事業に注力しており、17年3月に多目的ホール「横浜アリーナ」を買収した。横浜アリーナで蓄積したイベントの企画・運営のノウハウを改修後のメットライフドームで水平展開できれば、西武HDのイベント関連事業に厚みが増す。
西武HDはメットライフドームの近隣にある「西武園ゆうえんち」と組み合わせた集客プランも練っている。メットライフドームへのアクセスは西武鉄道がほぼ担っている。コト消費の盛り上がりを鉄道事業の増収につなげることももくろんでいる。
(企業報道部 岩本圭剛)
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