長江実業集団、香港の高層ビルを5900億円で売却
【香港=粟井康夫】香港の不動産大手、長江実業集団(CKアセットホールディングス)は香港島中心部にある高層オフィスビル「中環中心(ザ・センター)」を中国・香港の投資家連合に売却すると発表した。売却額は402億香港ドル(約5900億円)と、香港の不動産取引で過去最大規模となる。
中環中心は香港島の金融街に近接する73階建ての高層ビルで、シンガポールの銀行大手、DBSや英フィナンシャル・タイムズ(FT)などが入居している。CKアセットは権益の75%を保有していた。香港メディアによると、買い手となる投資家連合は北京を本拠とする中国国儲能源化工集団や香港の投資家らが構成しており、買収完了後はビルをフロアごとに売却する計画だとしている。
香港を代表する大富豪、李嘉誠氏が率いる長江実業グループは中国本土や香港の不動産を売却し、オーストラリアなど海外の通信・インフラ事業を買収する「脱・中国シフト」を進めてきた。中国本土からの投資マネー流入や相次ぐ企業進出で香港のオフィスビルの賃料は上昇が続いており、高値で売却できると判断したとみられる。
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