子育て写真共有アプリのタイマーズ、4.6億円調達
祖父母が孫にプレゼント ECも展開へ
子育て写真を共有するアプリを運営するTimers(タイマーズ、東京・渋谷)は23日、有力ベンチャーキャピタル(VC)のグロービス・キャピタル・パートナーズ(東京・千代田)など3社から総額4億6000万円を調達したと発表した。アプリを法人向けにも提供し、祖父母が孫にプレゼントするための電子商取引(EC)も本格的に始める。増資で事業拡大に弾みをつけ、2018年末までに会員数を現状の倍の200万人に増やす計画だ。
タイマーズは博報堂出身の高橋才将最高経営責任者(CEO)が2012年5月に設立し、14年からアプリ「Famm(ファム)」を運営する。子育て世代が主な顧客で、孫の成長ぶりをみたい祖父母との間で写真や動画を共有してもらう。孫の写真をフォトカレンダーにして祖父母に送るサービスなどを手がけている。現在の会員数は100万人、このうち頻繁に使う利用者は20万~30万人に達し、1年で倍増したという。
今回はグロービスなど3社が引受先となる第三者割当増資で総額4億6000万円を調達。これまでの調達額は総額約14億円に達した。同社にはNTTドコモや伊藤忠商事、サイバーエージェント系のVCなども出資している。
タイマーズはフォトカレンダーを祖父母と孫を結ぶプラットフォームと位置づけ、増資で事業を拡大する。自社ブランドのほか、高齢者向けとの接点を増やしたい法人向けにも提供する。また、ファムを介した孫向けの衣料品や玩具、絵本などのECも手がける。
少子化が進むなかで、孫1人にかける出資は増えている。高橋CEOは「子供向けのECは一世帯あたり年間24万円に達する。写真を核にしたカレンダーのプリントサービス、ECの2つで収益の半分ずつをめざす」と話す。現在は米国と英国でも英語でサービスを展開するが規模は小さい。日本で事業が軌道に乗った段階で海外事業の拡大も視野に入れている。
(企業報道部 加藤貴行)