サムスン電子経営陣若返りへ
【ソウル=金再源】サムスン電子の経営陣が若返りそうだと市場関係者がみている。同社の権五鉉(クォン・オヒョン、64)副会長が先週辞任の意向を発表。李在鎔(イ・ジェヨン)副会長も不在が続いている。アナリストらは権氏と同世代の最高幹部が同時に退任する場合を見据え、後継者として金奇南(キム・ギナム、59)氏ら3人の名前を候補に挙げている。
新指導部が発足すれば李副会長の力は増すとみられている。現在の経営陣は李副会長の父で、14年以来心臓発作で入院中の李健煕(イ・ゴンヒ)会長によって任命された。李副会長は贈賄と横領の罪で懲役5年の判決を受け収監中。同氏は控訴している。
あるアナリストは、サムスン電子で半導体製造部門の大規模な統合が進行中であると指摘し、「金奇南氏は大規模集積回路(LSI)、ディスプレー、メモリーチップ事業で豊富な経験があり、権氏の後任と目されている」と述べた。「権氏の辞任は李氏の影響力が高まることを意味する」とも付け加えた。
金奇南氏は30年以上半導体部門に関係してきた半導体の専門家。ソウル大、韓国科学技術院(KAIST)、カリフォルニア大ロサンゼルス分校で電子工学を学んだ。
金奇南氏のほか、高東真(コ・ドンジン、56)氏、金炫奭(キム・ヒョンソク、56)氏の名前も挙がる。高東真氏はスマートフォン(スマホ)の「ギャラクシーノート7」の危機を収拾、その後、「ギャラクシーS8」と「ノート8」を発売した。これら新機種は好評で、同氏は携帯事業を再び軌道に乗せたことで高い評価を得た。
金炫奭氏はテレビ事業の専門家で、次世代テレビ向け技術の開発に取り組んできた。新しい経営体制は年末にかけて固まるが、3人以外の候補もいて流動的だとみられている。