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これで一件落着? 反則投球問題の奥深さ

編集委員 篠山正幸

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西武・菊池雄星が2試合にわたって反則投球の判定を受けた2段モーション騒動。ルールにかなっていないとする判定に間違いはなかったが、指摘にいたるまでの経緯を含めて「適当」であったかどうか。これは意見がわかれるところかもしれない。

菊池は8月17日の楽天戦、24日のソフトバンク戦で投球フォームがルール違反とされた。特に2試合目のソフトバンク戦、立ち上がりの1球目の判定は試合を大きく左右した。

先頭、川島慶三は初球を空振り。これが実は反則投球だったということでボール球とされ、そこからストレートの四球。菊池はぼろぼろと崩れ、柳田悠岐に先制二塁打、アルフレド・デスパイネに2ランを喫した。あとは試合にならず……。

この試合に限っては審判が主役になってしまった。野球に限らず、サッカーでもラグビーでも審判が一番目立つような試合は好ましいものではない。その意味でも残念だったし、ペナントレースの展開上もソフトバンクのあっけないほどの独走を決定づけるものとなった。

なお残るモヤモヤ感はどこから

もちろん、審判はそこまで忖度(そんたく)する必要はないし、第一の使命はルールを厳格かつ公平に適用することだ。

投球動作は一連の流れになっておらねばならず、カクカクと「段」がついてはならないというのが決まりだ。

当然ながら審判団も、シーズンが深まってからの「摘発」には慎重を期していた。春先から、この夏までのフォームの変化をビデオで確認したという。その結果、春先には問題のなかったフォームが徐々に変化し、看過できない域に達した、という判断になった。

菊池と西武サイドとしては「なぜ今ごろ」というひっかかりを覚えつつ、現在のフォームがルールにかなっていないことは認めて、修正に動いた。

「事実関係」の認定に争いはない。しかし、それでもなお残るモヤモヤ感は、どこから生じているのだろうか。

このルールの趣旨を考えてみたい。投げるとみせかけて途中で引き返す、といったまぎらわしい動きで打者を幻惑するのは卑怯(ひきょう)である、スポーツマンシップにもとる、ということがこのルールの意図するところではないのか。

では菊池のフォームが実際に、卑怯なまでにトリッキーで、打者にとってまるで打撃にならない、という域に達していたかどうか。このルールの肝であるところの、スポーツマンシップにもとるほどのものであったのか。

野球評論家の権藤博さんが日経本紙朝刊に寄せた8月31日付のコラムから引いてみよう。

「今回、打者の側から『菊池はずるい。あのフォームは違反だ』という声が出ていたのだろうか。打者にとって"実害"があったのなら、判定も理解できるのだが……」

そこまであざといことをして勝とうという気持ちは菊池にもなかったし、打者の側からの抗議も、少なくとも表面には出てきていない。当事者間で問題になっていないのに、わざわざこのルールを発動するところに意味があるのか。そこを権藤さんは問うているわけだ。

権藤さんだけでなく、各紙によれば投手OBを中心に判定を否定的にとらえる声が少なくないようだ。

おそらくその背景には野球の本家本元の米国のルール適用はもっと適当じゃないか、という認識があるのではないか。

けん制球の動作の判定がその最たるもので、メジャーや各国の審判は相当緩い。左投手がホームに投げる体勢に入りかけながら、一塁へけん制をしても、あまりボークにとらない。

投球動作を含め、世界的にはかなり緩い解釈のもとにルールが運用され、その基盤にはプレーに実害が生じるかどうかという現実的な判断があるのではないか――。こうした認識からすると、ルールの根本精神を守ることが大事で、細かいところは実態に即して緩めに運用すればいい、ということになる。

議論深めると根っこの部分には…

一方ではプロ野球選手のなかでも、トップに位置づけられる菊池ほどの存在ともなると、広くアマチュアを含めた選手たちのお手本にならねばならないのだ、という考え方もあるだろう。この立場からすると、李下(りか)に冠を正さず、ではないけれど、スター選手こそ、ルールを厳しめに受け止めて、万が一にも疑義が生じることのない投げ方をしなくては、ということになる。

2段モーションの問題、議論を深めていくと、そもそもルールは何のためにあるのかという規範論や、順法精神と国民性といったテーマにたどり着く。グラウンドの中では菊池がフォームを修正して一件落着となったが、根っこの部分には容易に結論の出せない問題が横たわっている。

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