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アプローチ上達へ精密機械になろう(上)

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 その昔はミュージシャン・佐野元春さんのマネジャーであり、ギターもプロ級、米国でゴルフの修業を積んだ藤井誠プロはアメリカンな乗りのいいレッスンが人気である。次々に動画投稿サイトのユーチューブにアップされる「練習場は研究室だ!」もアグレッシブなレッスンで最高に楽しい。そんな藤井プロに成功するアプローチの仕方を教えてもらった。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ VOL.35」から)

藤井プロはフロリダ州オーランドのゴルフ親善大使。英語も流ちょうに話すから、故アーノルド・パーマーさんにも気に入られて、彼のトーナメントのプロアマ戦に今も招かれている。

そんな藤井プロにアプローチを教えてもらおうというわけだが、当然、アメリカンなレッスンになる。

「アプローチのレッスンですか? 生の芝の上がいいですから、楽しくラウンドしながらやりましょうよ!」

ということでコースに直行。スタートから藤井プロはエイトビートを利かせながらのロック調で豪快なショットをビシビシ打っていく。こちらも負けじと頑張るが、プロのものすごい飛ばしについつい力んでしまう。とはいえ、本日のお題目はあくまでアプローチだ。

早速、グリーン周りからやや左足上がりのアプローチに出くわした。砲台グリーンのため、転がしというわけにはいかない。でも、エッジからピンまで距離がそこそこあるから、アプローチウエッジでピッチ・アンド・ランをしようと思った。ところがライを見ると、芝が生えそろっておらず、ラフにやや沈み加減。

〈ザックリの予感がする〉

すると、案の定、ボールの手前にウエッジの歯が刺さってしまう。ザックリで1メートルしか飛ばない。

「アハハハハッ!」

大喜びのプロである。寄せればパーになるところが、あっさりダボである。最近よくやる痛いミスだけにがっくり。

「ミスしか出ない構えと打ち方。それも二重三重でミスが出る形になっています。うまく打てるほうがおかしいですよ」

こう言ってさらに大笑い。でも、笑われても仕方ない、何ともみっともないザックリなのだから。

「まず、構えですが、左足上がりのために右足体重になるわけだけれど、打つときに体重を左足に移そうとしたために、体が動いて頭も動いてしまった。しかも体が回っておらず手打ち。さらに右手でヘッドを操作しようとするのだから、ボールの手前にヘッドが入ってしまったのです」

もう何十年とゴルフをしてきているのに、言われたポイントにまったく気がついていない。ミスするはずだ。やろうとしたことは、ボールにきちんと当てたいということ。そのために安定して立ったつもり、しかし、右手でうまくボールに合わせたいとしていたのだろう。体が回っておらず、手だけを使ったことは間違いない。

藤井プロは言う。

「右利きの人は、打つ前に意識しなければ、右手を使ってしまう。これはもう本能。でも、右手は器用そうだけれど、ことゴルフではアマチュアはうまく使えない。トップやザックリになってしまうわけですね」

では、どうするのか。

「まずは足裏を意識してほしいのです。これはどんなショットにもいえることで、アドレスで足裏を意識する。しっかり地面を押さえているか。踏み込んでいけるか。そうして足裏を意識してから、グリップや上体の力を抜き、体を回してほしい。決して手は使わない。手で打とうとはしないことです」

そして、このことはアプローチにも当てはまる。

「アプローチはボールを飛ばす必要はありません。精密さが要求されるショット。つまり、いかにして精密機械になれるかが重要になります。そこで、アプローチでは基本、左足体重にします。左足1本で立つくらいで構わない。そうすると、2本足で立つよりも不安定になりますよね。でも、この不安定さがいいわけです。不安定だから安定しようとする。その安定させようとすることによって、精密に打つことができるようになります」

藤井プロはこうしてサンドウエッジを持ち、見本を見せてくれた。構えたら、右足を宙に浮かせて後ろに引いたのだ。つまり左足1本となる。

「左足1本で立っても頭の位置は2本足で立ったときと同じです。そうして左足全体で地面を踏みつけます。その体重のまま右足を元に戻します。かかとを浮かせていても構いません。そうして左足体重のまま、骨盤を回します。それにつれて肩も縦に回す。グリップはユルユルのまま。コックも自然に使います。ダウンスイングは左の肩甲骨を背後に引くようにします。左サイドのリードで行い、右手を使わずに左手主体で行います。ボールを打とうとせず、フォローまで振り抜きます」

藤井プロはそう解説しながら打ち、きれいにボールを拾う。小さいけれど、スムーズなスイング。

「アドレスからトップ、最後のフォローでクラブを止めるまで、左足体重は微動だにしない。左足全体で地面をしっかりとつかまえておくこと。結構、腹筋に力が入りますよ。そうすれば、軸が1つになるから、振り子運動がずれずに行えます。サンドウエッジはヘッドが重たい。その重たいヘッドに任せて振ること。そうすれば必ずうまく打てます」

早速私もやってみた。不思議なくらい簡単に打てる。ヘッドがつっかかるようなことはまったくない。きれいに抜けていくのだ。

「左足体重、右手を殺して、左手主体で打つ」

言ってみればそれだけのことだ。

藤井プロから笑いがこぼれる。もちろん私も。

「右手は使わない、左手主体でアプローチせよ」と言っていた藤井プロが突然、右手の使い方を解説しだした。

「先ほど言っていたのは、あくまでミスをしない打ち方です。慣れてきたら、今度は右手を柔らかく使う打ち方を学んでみましょう」

そう言って、ゴムボールを持ってきた。ボールを使うと右手の使い方がわかりやすくなるのだ。

「右手でボールを握って、アドレスして、そのまま体を回転させてバックスイングしていき、自然にコックも使います。ダウンスイングも同じように右手を戻していきます。大事なのはインパクトのあとからで、右手を右に回転させます。アンダースローでカーブを投げるときの手の使い方です。そのままフォローまで回転し続けます。こうするとヘッドが開いていきますよね。ソールのバンスを使えることになるので、このイメージでスイングすると、ヘッドが刺さらなくなります」

つまり、ヘッドが抜けやすくなるのだ。

「もちろん、右手は強く握ってはダメです。スイング中、ずっとユルユルです。そうすれば柔らかく打つことができる。フワッとボールが上がってくれます」

確かに藤井プロがそうやって打つサンドウエッジのショットはフワッと上がる。しかもスピンが利いている。きれいに止まってくれる。近いピンのバンカー越えなどで威力を発揮しそうだ。

実際に私もやってみると、まったく刺さらない。ザックリする気が全然しない。ソールがうまく滑ってくれるのだ。

「この打ち方は右肘が体を擦るように内側に入ってくるので、右肩が前に出ません。それと同時に右膝も前に出ない。なので、ヘッドが上からかぶって入らない。それで刺さらないわけです」

藤井プロがさらに面白いことを言う。

「この右手の使い方は、和食の料理人が刺し身を切るときの包丁の使い方に似ています。刃の内側から切り身を入れて、そこから引くように切るでしょう。このアプローチも右手をこのように使うと、ヘッドのヒール側からボールに入って、トウ側に抜けていくように振ることになります。内から外に引くような打ち方になるんですね。刺し身がきれいに切れるように、ボールを打つことができます」

言われてみると、確かにヘッドのヒール側からトウ側に抜けるように打つことになる。ちょっとシャンクが怖いが、実際はそのイメージで振って、フェースの真ん中で打っている。だから大丈夫なのだ。

(次回は8月7日 文:本條強)

 藤井誠(ふじい・まこと) 1958年10月27日、東京都生まれ。184センチ、85キロ。PGAティーチングプロA級。日本体育協会スポーツ指導者。米軍多摩ヒルズゴルフコース副支配人。タマキッズゴルフ主宰。フロリダ州オーランドゴルフ親善大使。2009年PGAティーチングプロアワード優秀賞受賞。「ロフェ・アーチサポート」の代理店、「オープンマインド360」を開設した。

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