全国初の線路・道路両用車、2020年導入に向け試乗会
徳島県海陽町と高知県東洋町を結ぶ阿佐東線に、線路と道路の両方を走行できるデュアル・モード・ビークル(DMV)の導入を計画している沿線自治体は、2018年1月まで各種のイベント会場などで車両の展示や試乗会を実施する。2020年に予定している全国初の運行開始に向けて地域住民の理解を促し、導入への機運を高めるのが狙いだ。
DMVを導入する阿佐東線は、第三セクターの阿佐海岸鉄道が運営する。同線北端の海部駅と、その隣のJR阿波南海駅までのJR線区間を阿佐海岸鉄道に移管したうえで、南端の甲浦駅まで約10kmの線路にDMVを走らせる計画だ。観光客向けに甲浦駅から道路に下りて、室戸方面へ走行させることなどを想定している。
阿佐東線に採用するDMVは、JR北海道が開発した。18年1月までJR北海道からDMVの車両を借り受け、車両の公開や試乗会を10回程度、実施する予定だ。
徳島県など沿線自治体が開催するツアーやイベントで車両を展示する。道路管理者などと協議が整えば、イベント会場周辺の道路で試乗会も開催する。線路上での走行は行わない。車両の借用など、展示や試乗会に要する費用約520万円は、沿線自治体などでつくる阿佐東線連絡協議会が負担する。
(ライター 山崎一邦)
[日経コンストラクションWeb版 2017年7月21日掲載]