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錦織圭、復調へ欠かせぬ「心技体」のバランス

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接戦になるほど上がるはずのギアが上がらない。いら立って叫んだり、ラケットをたたきつけたりする。ミスが重なって形勢を悪くし、最後は集中力が切れて負けてしまう。テニスのウィンブルドン選手権男子シングルス3回戦で敗れた錦織圭(日清食品)は今季、もどかしい戦いが続いている。

アンディー・マリー(英国)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、スタン・バブリンカ(スイス)は昨年、四大大会で優勝した面々であり、この1年半ほどの間に試合中にラケットをたたき割った選手でもある。マリーはリズムが悪くうまくいかないとき、ぶつぶつ独り言を言っては叫ぶ。ジョコビッチやバブリンカの鬱憤を晴らすような絶叫はどこか野獣をほうふつさせる。四大大会18度の優勝を誇るロジャー・フェデラー(スイス)の立ち居振る舞いがスマートな分、相手を威嚇するように叫ぶ姿は恐ろしいほどの迫力がある。

ラケットをたたき割る行為はとがめられてメディアも取り上げる一方、欧米では「気持ちもわかるよね」とさほど悪質な行為とは思われていない。むしろ錦織のような物静かなタイプの方が不思議らしい。ラケットを壊す行為は罰金を科されるが、さほど悪質な行為と捉えられていないようだ。「いけないことだけれど、それで発散できていら立ちを引きずらないで済むなら、ラケット1本くらいいいさ」。バブリンカのコーチ、マグヌス・ノーマン氏はこう話した。

気持ちのコントロール失う

ラケットをたたき割る行為よりも錦織にとってむしろ問題なのは、自分の気持ちをコントロールできなくなっている点だろう。もともと感情をあらわにするタイプではないうえ、「(プレーの水準がアップダウンしないよう)気持ちを一定に保つようにしている」と話してきたのにだ。その要因として「一番は(大事なポイントを)取り切れないところ」を挙げた。

勝負どころのゲームを落とすと、どの選手も気落ちする。四大大会は試合が5セットマッチであるため、試合の中で少しずつ体勢を立て直すこともできる。その一方で、気持ちをうまく切り替えられず、身の入らないプレーが続くと、試合時間が長くなるため観客が興ざめしてしまう。今年のウィンブルドン1回戦で敗れたバブリンカしかり、昨年の全豪、全仏決勝のマリーもしかり。錦織の今大会3回戦もその典型だろう。

「自分のプレーの仕方なのか、気持ちの持ちようなのか、いろいろ原因はあると思う」。錦織もまだはっきりとその答えを見つけられていないが、原因の一つとして蓄積疲労があるかもしれない。2016年は1月第1週から11月中旬のATPツアー・ファイナルまで試合があり、12月初旬まで日本でエキシビションに出ていた。リオデジャネイロ五輪で銅メダル、全米4強、マスターズ・シリーズで2度準優勝――。キャリア最高の充実したシーズンに区切りをつけて気持ちと体をリフレッシュし、17年に向けて練習する時間は3週間程度しかなかった。

今年は2月、4連覇していたメンフィス・オープンの代わりに、アルゼンチンの大会に出場して準優勝だった。4月には手首のケガで過去3年、優勝、優勝、準優勝と験がよかったバルセロナ・オープンを欠場した。ウィンブルドンまで16年が33勝11敗(優勝1回、マスターズ・シリーズ準優勝1回、4強2回)だったのに対し、17年は25勝10敗。優勝した大会はなく、マスターズ・シリーズでは8強入りが3回だ。14年に全米で準優勝して世界ランキングでトップ10入りして以降、これほどすっきりしない戦いが続くのは初めてだ。「大きな自信が生まれてこない」と錦織がこぼす状況だ。

スランプを乗り越えるには

選手にとってスランプは付きもの。最近の顕著な例は、昨年の全仏男女シングルスそれぞれの覇者であるジョコビッチ、ガルビネ・ムグルサ(スペイン)だろう。ジョコビッチは全仏で生涯グランドスラムを達成し、ムグルサは四大大会初優勝を飾った。その後、気持ちが燃え尽きてしまったのか、ジョコビッチは世界ランクを1位から4位へ、ムグルサは2位から15位まで落としている。

結果が伴わず、模索する日々は苦しい。「それがスポーツというドラマの醍醐味でもある。この3年くらいずっと自分に疑問を持っていた。今も日々、小さな疑問はあるけれど。だからこそ謙虚な気持ちで強度の高い練習ができる。もし自分に疑問がないなら、傲慢だと思う」。今季、全仏で3年ぶりの四大大会優勝を果たしたラファエル・ナダル(スペイン)は言う。ケガもあり、15年のウィンブルドンから6大会続けて四大大会で4回戦より先に進めなかった。その中には1、2回戦敗退もあった。当時の打っても打っても甘い位置にボールが行ってしまい、自信を失ったような姿は目を覆いたくなるほどだった。新しいコーチを加えて地道に練習を続け、今年1月の全豪準優勝でかつての自信を回復するまでに3年の歳月がかかった。

世界ランク11位のグリゴル・ディミトロフ(26、ブルガリア)は14年のウィンブルドンで4強入りし、そのプレースタイルから「フェデラー2世」などと将来を嘱望された。だがその後、マリア・シャラポワ(ロシア)との交際が話題になり、昨夏には世界ランク40位まで落ちた。ディミトロフは「他人のことはわからないけれど、結局は(競技生活に必要な)練習、睡眠、食事、息抜き、友達との時間など、ポジティブな気持ちでコートに立つために自分なりのバランスを見つけることなんだ。(復活の秘訣は)ひと言でいえば"discipline(規律)"」と話した。

自分なりのバランスは毎年変わるだろう。錦織が新しい「規律」を見つけるまで、私たちは辛抱強く待つしかない。

(原真子)

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