ボクシング・大森、京都初の王者へ雪辱に燃える
23日に世界戦
連勝街道の行く手を阻まれた相手との再戦に燃えるボクサーがいる。世界ボクシング機構(WBO)バンタム級6位でウォズジム(京都市)所属の大森将平(24)。23日に行われる初の世界戦(エディオンアリーナ大阪)が雪辱の舞台となる。
ベルト獲得にも増して果たしたいのが対戦相手の王者、29勝(12KO)2敗のマーロン・タパレス(25、フィリピン)に勝つこと。過去18勝(13KO)の大森が唯一の黒星を喫した相手が同じサウスポーのタパレスで、世界戦として実現する今回の一戦は「最高のリベンジマッチ」(大森)だ。
2015年12月の初対戦は2回TKO負け。早々に強烈な一撃を食らったことが響いたが、負けるべくして負けたともいえる。入念に相手を分析すべきだったのに、映像はほとんど見なかった。無敗の戦績が過信を生み、周囲が危ぶむほどのてんぐになっていた。
完敗で鼻っ柱をへし折られた大森は改心し、今回は「負けた時の何十倍も研究している」。ジムに支援体制を整え直してもらい、親交のある元世界王者の長谷川穂積氏には何度も世界戦の心構えを説かれた。
今月9日に世界ボクシング協会(WBA)スーパーバンタム級王者に就いた久保隼(真正)や、世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級王者で12連続防衛中の山中慎介(帝拳)は母校、南京都高(現京都広学館高)の先輩に当たる。
身近な強者たちの栄光をつぶさに見てきた大森がもう一つ狙うのが「京都のジムの選手として初の世界チャンピオンになること」。大舞台に向けて磨きを掛けた左ストレートを武器に「京都の星」になることを誓う。
(合六謙二)