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強かったキューバ野球どこへ? 五輪競技存続に影

編集委員 篠山正幸

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あの強かったキューバはどこへ行ったのか――。2次リーグで姿を消したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での戦いぶりに「赤い稲妻」と恐れられた往時の面影はなかった。独特の存在感を示してきたキューバの衰退は2020年東京大会から先の五輪競技としての存続問題に、微妙な影を落とすかもしれない。

野球界の多様性担う独自路線

あまり練習を公開しないキューバの投手たちが、珍しくグラウンドに出てきたと思ったら、一斉にタオルを持ってシャドー・ピッチングを始めた。06年のWBCのひとこまだ。

日本の高校生のような練習にトップ選手全員で取り組んでいるのが面白く、五輪などで世界に君臨してきたキューバ野球の秘密の一端がうかがえた。

この大会、決勝で日本に6-10で敗れたものの、1-6から一時は1点差まで追い上げる粘りをみせた。五輪の3つの金メダル(1992年バルセロナ、96年アトランタ、04年アテネ)など、数々の実績を残してきた伝統の力に、日本も肝を冷やしたものだった。

キューバが今回のWBCで配布した資料によれば、社会主義革命がなされた1959年から3年後には米国の影響下に発展したプロリーグを廃止し、独自路線を歩んできた。

国策としてメダル獲得作戦を進めた旧東ドイツなど、社会主義体制国家との親交から、科学的トレーニングも取り入れたとされる。これにモノのない社会情勢のもとではぐくまれたとみられる鍛錬法が組み合わされ、独自のスタイルが生み出されていったらしい。

かつてキューバを訪れた野球評論家の豊田泰光氏は選手が床に書いた平均台の幅のコースから、はみ出さないようにして歩くのをみた、と話していた。バランス感覚を養うためのトレーニングだったのかどうか、そこにはとにかく異色の光景が広がっていたという。

体のバネを生かしたプレーの切れ、決してあきらめない戦いぶり、体制を分かつカーテンの向こう側の謎めいた雰囲気。その野球は米国とも、アジアの野球とも違う一つの極を成し、野球界の多様性を担ってきた。

WBC2次リーグ3戦全敗

そんなキューバがどうしたことか。今回のWBCではアルフレド・デスパイネ(ソフトバンク)の豪打、中堅守備で驚嘆のスピードを見せたロエル・サントス以外に目立つ選手もなく、2次リーグで3戦全敗に終わった。

特に投手陣が貧弱だった。09年のWBCに、キューバの一員として参加していたアロルディス・チャプマン(ヤンキース)らのメジャーへの流出により、手薄になったといわれる。

トランプ米政権の誕生で、オバマ政権下で進んだ関係改善の動きが後退する可能性もあるようだ。しかし、もし米国との融和が進むとすると、選手の行き来も自由となり、野球もあっという間に米国的な色に染まりそうだ。それはそれでちょっと寂しいことだ。

2次リーグ敗退決定後の会見で、カルロス・マルティ監督に「この次はメジャーにいるキューバ選手を呼んだらいいのでは」との質問が飛んだ。「いや、私は国内の選手だけで戦うべきだと考えている」。メジャーに頭を下げて選手を借りずとも、といったところ。一時代を築いたキューバのプライドはまだ残っている。

その意地に期待したい。というのは野球の多様性を支えてきたキューバの衰退は五輪競技としての今後に関わりかねないからだ。

「特別枠」で東京五輪での復活が認められた野球だが、東京から先の大会についてどうなるかはわからない。国際オリンピック委員会(IOC)の会議で問題となるのが国際的広がり。実施国数など外形的な条件として五輪競技の基準を満たしているとはいえ、中身の競技力が問題だ。一握りのトップクラスの国・地域と「その他」の開きがあまりにも激しい。

野球関係国、無関心でいられず

WBCで優勝を狙えるチームは日本、韓国のアジア勢に、ドミニカ共和国などの中南米勢数カ国、米国、カナダ、オランダ……と数えていっても10チームになるかどうか。こうしたなかで、国際舞台の主役だったキューバが落ちていくとなると、野球界の「薄さ」が余計目立つことになりかねない。キューバの今後については日本をはじめ、野球関係国にとって無関心ではいられないことのはずだ。

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