トピックス　メジャーから参戦の青木、代表チームへ愛着増す

野球とベースボールの違いが勝敗に結びついた――。日本が1-2で米国に敗れた21日のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）準決勝のあと、メジャーから唯一参戦した青木宣親（アストロズ）が大会を振り返りつつ、改めて代表への思いを語った。

好守で窮地脱出に貢献、円陣の真ん中でナインを鼓舞、とリーダー格で引っ張ってきた日本の戦いも、米国に1-2で敗れて終わった。日本ではなかなかお目にかかれないシュート系の球に屈した。メジャーの打者はそんな力勝負に慣れているが、日本の打者はそうではない。

その辺が野球の違い、ということのようだが、それで日本の野球が劣っていることにはならない、とも青木は強調した。「米国に勝っているところもあると思うし、この1戦で差（優劣）をつけるのは無理な話。今回は負けてしまったけど、確実に日本だって力はついている」

米国戦では失策を犯した菊池がソロ本塁打を放ち、ミスを帳消しにした。めげないプレーに勇気づけられたという。「（若い選手を）支えようと思っていたけれど、支えられていたのは自分だったのかな、と」。試合を重ねるごとに結束が高まり、代表チームへの愛着もさらに増した。

球数制限など野球の大会としては不完全なWBC。それでも意義があるという。「野球をもっともっといろんな人に知ってもらいたいし、もっと世界に広めたい。そういう意図でやっている大会だし、人が心を揺さぶられるようなことがあるとすれば大会は成功だと思う」と、野球の使徒としての自覚をのぞかせた。

（ロサンゼルス=篠山正幸）